第9話◆元魔王・領地経営する9
どごーん!という音と共に森の中に広範囲の空き地が出来た。
というか作った。
範囲を決めて片っ端から好き勝手に成長した樹を【
余計な枝葉や根っこは【
端材も砕いて着火用の木くずにすればOKだろう。
そして空き地になったところで、土魔法で平らにし、中央に井戸を掘った。
この森、貯水もしてるからそれほど深く掘らなくても水が出てくるのはありがたいね。
井戸の底に浄化用の魔法陣を刻んだ白魔石を埋め込めば、いつ飲んでも、最悪毒を投げ込まれても浄化してくれる。
あとは井戸の周りに共同竃と焼き場を作れば、あとは現地で雇った人にお任せコースだ。
「こちらが柵の作り方です。あとは溝を彫ってあるので、それに沿って柵を埋め込んでください。できれば魔法が使える人に【硬化】と【防腐】をお願いします。いなければ進捗確認のときにでもやりますんで」
「わかりました。おい、お前ら。やるぞー!」
「「「おーーーー!!!」」」
この森と周辺を含めて4つの小規模の村から施工用の人足を雇い入れた。
日雇いだがちゃんと出勤帳簿をつけてもらい、週一で支払いをする。
施工責任者と連絡役にはうちの領から棟梁の息子さんをお迎えした。
32歳と若いが、建築の実績もあるので、ちょい給金を上乗せしてある。
その棟梁の配下の5人が各部の責任者となり、日雇いの人足さんらに指示を出したり作り方を教えたりして、この私設駐車場を作ってもらうのだ。
「道の整備は駐車場が出来上がってからでいいですので、宜しくお願いします」
「解りました、メル様」
食料やちょっとしたワインなんかの補給物資を専用の小屋に詰め込み、各所を見て回っていたエクセル叔父上と合流する。
「こんな感じでやってもらうので、道の舗装込みで2か月はかかるかと思います。その間、僕らは共同駐車場の施工に取り掛かりましょう」
「そうだね、共同の方も同じ規模なのだろう?丁度いいサイズだと思う」
「よかった。拡張する時は言ってください、ちゃちゃっとやりますんで」
「その時は資材だけたのめるかな。うちも雇用促進しないと」
「解りました。こちらの森一帯は間伐を進めるつもりなので大量に在庫を作っておきます。この村と同じ規格ならすぐですんで」
「ありがとうメル君。大変勉強になったよ。共同駐車場、楽しみだねぇ」
エクセル叔父上はにこにこしながら駐車場への思いを馳せていた。
が、一言言っておかねばならない。
「エクセル叔父上。露店はあのかぼちゃとブラーマのそぼろ餡饅頭を必ずですよ!」
「任せておいてくれ、他の新作饅頭も開発しておくよ」
「ありがとうございます!」
あれほんと美味しかったので!
王都へのとおりっぱたで買えるし、パパのお土産に丁度いいんだよね!
後日、新作饅頭の試作品が届いた。
エクセル叔父上、5種類は作りすぎです。
そしてどれも美味しいので、通年出来るものと季節商品に分け、事前予約も受け付けてほしいと手紙に書いて送りました。
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