第33話人気者と勉強会

「二人とも馬鹿だよねぇ」

俺達は、学校で話していたファミレスについていた。

あの後、結局逃げる飛羅廼を追って学校内に留まらずファミレス近くまで走ることになった。

そこまでの道が人通りが少なかったのは幸いだった。

「何であんなに追いかけるんだよ」

「途中で諦めたら負けな気がした」

「何と対決してんだよ」

「とりあえず、ドリンクバーでも頼まない?」

「そうだな」


「とりあえず休憩にするか」

「「疲れたぁ〜」」

「お疲れ様です」

一時間ほど勉強したが、一つ分かったことは飛羅廼に勉強を教えるのは死ぬほど疲れるということだ。

桂木は教えてないから何とも言えない。

「なぁ、桂木教えてもらう人を交代しようぜ」

「なんで?」

「だって岩尾さんは優しく出来たら褒めてくれてるだろ?それに対して翔野は、厳しいしできても何も言わないしさ」

「逆に聞くけど俺が褒めたらどう思うよ?」

「そりゃあ、キモ…痛い痛い!」

予想はしていたが言われると頭にくるからとりあえず横にいる飛羅廼の横腹をつねっておく。

「飲み物とってくる」

飲み物を注ぎにドリンクバーへ向かう。

「あまり厳しくするのは良くないですよ?」

後ろを振り向くと岩尾が立っていた。

「厳しくしないと飛羅廼がすぐ怠けるんだよ」

事実数分おきに「あ、通知が」とか言ってスマホを触ろうとしていた。

「まぁ、幸いなのは二人とも苦手教科が1教科だけなことですね」

「一応二人ともテストの順位が15位以上だったからな」

二人とも教えればすぐに覚えるのでそこまで教えるのは難しくないが集中させるために体力を使った。

「あの感じだともう大丈夫そうですし、あとはゆっくりしませんか?」

「二人が良ければ俺は別に良いけど」

「じゃあ、戻りますか」


テーブルに戻ると勉強道具がきれいに片付けられていた。

「何でお前は勉強道具を片付けてるんだ?」

「もう大丈夫だと思うし残りの時間はゆっくりしようかと」

「あっそ」

「何も言わないんだな」

「わざわざ疲れる方を選択しなくて良いだろ」

「それどういう意味だ?」

「小腹がすいたし何か頼むか」

メニュー表を手に取り流し見る。

「なぁ、どういう意味だよ」

「私パフェ食べたい!ここのパフェ大きいから岩尾さん一緒に食べよ」

「なぁ、どういう意味だよ、なぁ」



「ふぅ、疲れた」

「おつかれさまです」

あの後は、喋っていただけだが日ごろより喋る量が多かったせいで疲れた。

「二人ともテストは問題なさそうですね」

「自頭はいい方だしな。でも、今まで何度教えたかわからないな」

「そうですね。もう見慣れた光景になりましたね」

「だな」

岩尾が用意してくれたコーヒーを一口飲む。

「明日は私の部屋に来ないでくださいね。そして、私のことは忘れてください」

「無理な話だな。明日だけは絶対に行く」

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