第21話 人気物と罰ゲーム

 罰のゲーム訳して罰ゲーム(何も訳せてないが)の準備をする。

「ほら、準備しろ」

 ゲーム機の電源を入れ岩尾にコントローラーを渡す。

「人を一方的にいじめて楽しいですか?」

「最初は楽しいかったけど今は作業感があって暇だな」

「なら辞めましょうよ。さっきから私まともにゲームできてないんですけど」

「そういうゲームだから仕方ない」

 岩尾が、マリ○カーだけは嫌だと言ったので大乱闘ゲームをしている。が、さっきから岩尾の操作するキャラを掴み技で痛ぶっている。

 それも残機制にしているためなかなか終わらない。

「これ私いりますか?」

「お前が居ないとダメだ」

「え?」

「相手がいないと反応を楽しめないだろ」

「あなたは鬼か何かですか?」

「自分のやったことを悔いることだな」


「疲れたし昼飯にするか」

「終始痛めつけられました」

「それが罰なんだから諦めろ」

 朝8時頃から始め気が付けば12時を回っていた。

「昼飯は何がいい?できれば簡単なものがいいんだが」

「それならいいものがありますよ。ちょっと待っててください」

 そう言って自分の部屋から戻ってきた岩尾の手にはカップ麺があった。

「これなら簡単で美味しいですよ」

 そう言って自信満々に俺にカップ麺を突き出す岩尾に思わずため息が出た。

「お前ってホントに時々バカだよな」

「さっきからバカって言いすぎじゃないですか?!」

「事実なんだから仕方ないだろ」

 まともに昼飯を作る気にならなかったので岩尾のカップ麺をありがたくいただく。

「お前料理下手だよな」

「苦手ですけどどうかしましたか?」

「料理下手で食事は総菜ばかりなのによくその体形でいられるなって思って」

「女性に体形の話をするのは普通に失礼ですよ。総菜でも野菜の総菜とかでバランスよく食べるようにしているんです」

「そうか」

「自分から聞いておいてなんでそんなに興味なさげなんですか」

「なんか興味がなくなった」

「ひどくないですか!?」

 俺の発言に驚いたのか勢い良く立ち上がる

「そんなことより食い終わったならゲームすんぞ」

「もうカメもピンクの丸いキャラもトラウマになりそうなんですけど」

「安心しろ俺も飽きてきたからほかのゲームにする」

「何をするんですか」

「〇も鉄」

 所謂すごろくゲームだ。社長になってお金を稼ぎつつ目的地を目指すゲーム。

 準備をしながら岩尾に軽くルール説明をする。

 CPUを含めた4人でゲームをスタートする。

 もちろん本来の目的は罰ゲームなので100年設定である。


 岩尾は20年を過ぎたあたりでギブアップをした。

「しばらくはカメも貧乏神もピンクの球体も見たくないです」

「いや貧乏神はもともと見えないだろ」

 さすがにこれ以上ゲームをするのはかわいそうなので罰ゲームはこれにてお開きとした。

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