第20話人気者とクジ

 全く眠れない。眠れるわけがない。

 誰がソファーで快適な睡眠できるんだよ。

 リビングの時計を見ると夜中の3時を示していた。

「なにか飲むか」

 コップに水を注ぎいすにこしをかける。ふと気になり机の上にあった岩尾が作ったクジを一つ手に取り開く。

 ただ、どれを選べばこの事態を回避出来たのか気になったのだ。

 のだが、それには寝る場所を決めたときに選んだものとは違う文字が書かれていた。

 初めに選んだクジは、テーブルに置かれていた。なんとなくもう一つクジを手に取り開くと先ほどと同じ文字が書かれていた。

 まさかと思い全てのクジを開いて中に書かれている文字を確認する。

 そのすべてに同じ文字が書かれていた。

「はめれた」

 ひとまずクジをもとの状態に戻しソファーに寝転がる。

 明日マリ〇ーでフルボッコにしよう。そう心に誓いを立て眠りにつく。

「おはようございます」

 声をかけられ目を覚ます。

「あぁ、おはよ」

「寝心地はどうでしたか?」

「最悪だったよ。ところで俺に謝ることはないのか?」

「ありません。あるとすれば私の寝相が悪かったくらいですね」

「くじ」

 その一言で全てを理解したのか岩尾の表情が引きつる。

「見たんですか」

「見事に俺が引いたやつ以外中身が全部一緒だったな」

「くじの中身を見るなんて反則ですよ」

「反則も何もくじを引いた後なんだから別に良いだろ。んなことより、大人しく俺が満足するまでゲームでボコボコにするけどいいな?」

「お手柔らかにお願いします」

「そうか。とりあえず、朝飯食べるか」

 とりあえずキッチンに向かい食パンを2枚トースターに入れ焼く。

「勝手にパンを焼いてるがいいか?」

「朝は食欲がないことが多いく食べてないこともあるのでどちらでも大丈夫です」

「今日も食欲無いのか」

「いや、今日はあります」

「アレルギーは?」

「特にありません」

 冷蔵庫から卵を取り出しスクランブルエッグにして皿に乗せちょうど焼けた

 食パンとマーガリンと共にテーブルに運ぶ。

「ほら、できたぞ」

「ありがとうございます」

「なんで、わざわざ皿を移動させてまで横に来る」

「いいじゃないですか」

 ないにを言っても無駄なので諦める。

「あの一ついいですか」

「なんだよ」

「翔野さんの昔話を聞きたいです」

「もっと俺の好感度を稼いだらな」

「私話したじゃないですか!」

「それは、お前が聞いて欲しいっていたんだろ」

「食い終わったならゲームするぞ」

「そんなに怒ってるんですか」

「当たり前だバカたれ」

「バカってひどくないですか?!」

「お前テストの順位は?」

「それは…」

「ほら食器片付けるぞバカ」

「また、バカって言いました?!」

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