第18話人気者とお泊り

「帰りましょうか」

「そうだな」

 気が付けば日が沈みかけていた。結局あれから何も話すことはなく長らく沈黙続いていた。

「翔野さん、わたし今日はハンバーグの気分です。目玉焼きの乗っている。目玉焼きは半熟でお願いします。それと翔野さんの家で食べたいです」

 帰りのバスの中で突然、晩御飯のオーダーをされた。

「注文多いな。作ってやるけどちゃんと手伝えよ?」

 返答がないただの屍のようだ。いや、突然横で屍になられても困る。

「どうした?かなり間抜けな顔をしてるけど」

「いや、翔野さんの家に行くの拒否されると思っていたので」

「今回は特に断る理由がないからな」

 今日、岩尾には怖い思いをさせてしまったの多少のわがままくらいは許そう。言葉にすると調子に乗りそうだから絶対に言わないが。


「ちょ、ちょっと待ってください。翔野さん、わたしはじめてなんですよ?!もう少し気を使ってください!」

「手加減なしでお願いしたのお前だろ」

「それはそうですけど。少しは手加減するものでしょう?」

 夕飯を食べ終わり今は、岩尾の要望により〇リカーをやっている。

 普段だったら俺も手加減している。

 だが、晩飯にあんな炭素の塊のようなものを食わされたら手加減もしたくなくなる。

 岩尾自身が料理の腕が上がったから任せてほしいというので任せたら炭と化したハンバーグの上に目玉焼きがのっているなんちゃって料理が出てきた。

 最初目玉焼きを炭火で作ったのかと思ったわ。

 おかげでデミグラスソースをいつもの倍以上使う羽目になった。

「翔野さん、私でも勝てるゲームを所望します」

「うちにそんなゲームはない」

「それなら手加減をしてください。私が勝てるか勝てないかギリギリくらいの」

「そんな都合よく手加減できねぇよ。手加減する時点でむずいのに」

 その後、数レースして二人でのマ〇カー大会はお開きとなり今は、食器のかたずけを岩尾と一緒にしている

「翔野さん今日泊まってもいいですか?」

「お前の家となりだろ。泊まる必要性がどこにある」

「今日は一人になりたくないんです!それくらい察してください」

「わかったよ。風呂とかはどうするんだ」

「そりゃあこっちで入りますよ。何なら一緒に入りますか?」

「ならお言葉に甘えて入らせてもう」

「ふぇ?」

 言語化できない声を出した岩尾の方見るとかを真っ赤にしていた。

「何マジにしてんだよ。冗談に決まってるだろ」

「着替えの服とってきます」

 あの反応は予想できたが何も言い返されないとは思わなかったな。

 なんか隣の部屋から叫び声みたいなの聞こえるけど岩尾の部屋だから気のせいだろう。

 帰ってきたら確認したほうがいいか?やめておこう学校で何されるかわからん。

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