第16話人気者と口論
「ちょっと待った」
そんな中1人の男子生徒が声を上げた。
「あのさ斉藤お前一方的に言い過ぎ相手に言い分も聞いてやれよ」
「だけど飛羅廼俺は聞いたんだって」
「分かってるって」
飛羅廼は斉藤に相槌を打ちつつ俺に近づいてきた。
「悪いもうちょっと早く待ったを掛ければよかった」
そんなことを小声で呟く。
「そんなことはどうでもいいそんなことより詳しいことは言えんが岩尾があの体制でいるのはきついと思う。どうにかしてくれ」
「分かった」
ゆっくり飛羅廼が斉藤に近づく。
「斉藤とりあえず岩尾さんのことは女子に任せようぜ。その方が本人も安心するだろうし」
「確かに」
飛羅廼の提案に納得し斉藤は岩尾から手を離し女子に渡した。
とりあえず一安心だそばには桂木がいるなら余計に。
「で翔野お前は何を言おうとしてたんだ?」
「お前が話したのは金髪で背の小さい女子だっただろ?」
「そうだ」
飛羅廼のおかげで斉藤も落ち着きを取り戻し落ち着いて話ができそうだ。
「そいつは理由は分からないが俺のことを恨んでるんだよ。それで中学の時もありもしない噂を広められていたんだよ」
「じゃあ俺が聞いたのは全部嘘だって言うのかよ」
「まぁ、そうだな」
一度疑ったのもあり俺の言っていることが信じられないにだろう斉藤は常に俺を警戒していた。
「しょ…こ」
小声で斉藤が何かを呟いた。
「は?」
聞こえず聞き返す。
「証拠だよ!証拠!」
「お前な…」
呆れた。普通この状況で証拠を求めるか?
「あの」
静まり返っていた空間を破ったのは一人の女子の声だった。
「何があったのかは桂木さんから聞きました」
はっきりとした物言いと元通りの顔色にホッと胸を撫で下ろす。
「人の発言が嘘だと言う証拠を提示するのは難しいと思います。突然のことなら尚更」
岩尾という思いもしない人物からの抗議に斉藤は唖然としていた。
「で、でも、」
「それに私が誰と仲良くしようが私の勝手だと思います。それを他の人にとやかく言われる言われはありません」
岩尾は斉藤の反論に聞く耳を持たず立て続けに話す。その姿にはどこか怒りを感じた。
「それに、」
「もういいだろ。その辺にしてやれ斉藤が可哀想になる」
流石に斉藤の呆然とした姿が哀れに思えて岩尾を止める。
「ですが、」
俺の静止に思うことがあり反論しようとする岩尾を今度は時間が静止した。
5限を知らせるチャイムがなったのだ。
チャイムがなると同時に先生が入室してきた。
「おい、チャイムが鳴ったのになんで席についてないんだ?はやく席に着け授業始めるぞ」
先生の言葉で強制的に話が終わらせられた
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