第6話人気者とチーム分け

 岩尾とタイミングをずらして教室に戻る。

 その後の5限を終え残すとこは6限の体育だけとなった。

 まともに授業するのが初めてなこともあり男女混合チームを作りバレーをする事となった。

「翔野いっしょにやろうぜ」

「いつも絡んでる奴らはいいのかよ」

「あいつらは他の奴と組むらしいから良いんだよ」

「あっそ。でも残りはどうするんだよあと四人必要だぞ」

「そうなんだよなぁ。お前友達いないのかよ」

「なんだよ喧嘩なら買うけど?」

「お前に聞いた俺が馬鹿だった。どうすっかなぁ」

 悩む飛羅廼をよそに大量に生徒が集まる方に目を向ける。

 そこには岩尾をチームに入れようとする生徒たちの集団がいた。

「相変わらずすごい人気だな」

「あそこまで人気だと悩みものだな」

「誘うか?」

「はっ誘ったところでだろ」

 横を見るとそこに飛羅廼の姿は無かった。

「おーい、岩尾さん一緒のチームになろうぜ」

 あの喧騒の中なのだから聞こえるわけ…

「構いませんが翔野さんも同じなんですか?」

 聞こえてやがる。

「一緒だよ」

 ただでさえ休み時間に飛羅廼が話しかけてくるせいで飛羅廼を囲んでいる女子に睨まれているのにここに岩尾が入ろうもんならクラスの奴に殺されかねない。なんで女子にまで恨まれるんだよ。

 何とかしてここは回避しなければいけない。

 そう思い岩尾たちの方へ歩み寄ろうとしたとき体育担当の教師が声をかけグループ決めの時間が終わった。

 それと共に俺の人生も終わりそうだ。

 てか、さっきまでの話だと3人しかグループに居ないんじゃ…。

「よろしくお願いしますね。翔野さん」

「よろしくー」

 岩尾とショートカットの女子が挨拶をしてきた、

「おう」

 それに対して適当に返す。

 ちょっとまて誰だこいつさっきの会話で見かけた覚えがないぞ。

「あっ今私のこと誰だって思ったでしょ」

「思った。てか、ほんとに誰だよ」

「うわーそこ普通正直に言う?まぁ、いいや私は桂木かつらぎ安奈あんなよろしくね」

「よろしく」

 あとの2人は飛羅廼と桂木の友人という組み合わせになった。

 バレーの試合は時間制限制で総当たり戦となった。

 全部で3試合となるのだが、今のところ2試合終了敗け無しなんなら圧勝である俺以外のメンバーが運動神経良すぎる。

 相手が可哀想だわ本来のバレーなら試合終わってる点数の1.5倍くらい取ってるぞコイツらしかも無失点て手加減してやれよ。

 俺そのせいか俺めっちゃ睨まれてるし。いや、これは関係ないか。てか、何で睨まれるの俺だけ?他にも3人居るだろ。

 今は、別のチーム同士の試合があっており休憩中である。

 俺を抜いて他のやつは男女それぞれ別れて話している。

「翔野さん疲れてませんか?」

「疲れるわけないだろボールには数えられるくらいしかさわってないのに」

「ならもっと動いてみては?」

「疲れたくないし動いたらお前たちの邪魔になるから嫌だ」

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