タニア「もう、タリアったら、仕事さぼってどこに行ったのよぉ！」

その日の夕方過ぎ、仕事を終えた村人たちで、甘いはちみつ亭の酒場はいつものように賑わっていた。

しかし今日は珍しくタリアが居ないので注文はタニアひとりで捌くことになり、いつもより大忙しだ。

今日は勉強中にタリアが様子を見に来なくてラッキーと思っていたのに、これではとんだアンラッキーだ。

しかしぶーたれていられたのも始めのうちだけ。

さすがに夜も更けてきたのにタリアが戻ってくる様子が一向に無いと、ライラやタニアも「何かあったのではないか」と不安になってきた。

2階や離れの風呂場や地下倉庫などを探しても、どこにも居ない。

外に出かけたのだろうか。しかし村人たちに聞いても、今日の昼間にタリアを見かけた者はいなかった。

そうした聞き込みをした結果、（この場にいる中で）今日一番最後にタリアを見かけたのは、人形遣いのグラーフだということが判明した。

グラーフ「ええ、タリアさんが、いつものように2階を掃除してるのを見かけましたよ。俺はそのあと宿の外に出かけたので、その後どうなったのか知りませんが…」

村人「あぁ、人形遣いの兄（あん）ちゃんが一人で村を歩いてるのは見かけたなぁ」

タリアが行方不明という話を聞いて、さすがに村人たちも酒盛りどころではなくなった。

今日はもう暗いから探しに行くことは出来ないが、もし明日まだタリアが戻って来ないようなら、村人総出で探しに出ようという話になった。

そして、翌朝になってもタリアは戻って来なかった。

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