オーメム(エピソード主役:コノハ)

オーメムがハルワルド村の甘いはちみつ亭にやって来たのは、コノハ達とオーメムが対立し和解してから、10日も経たない頃だった。

新しい客を、ミシアは歓迎した。

しかし和解したとは言え、オーメムに対して複雑な思いがあったコノハとしては、予期せぬ再会に動揺を抑えきれなかった。

コノハ「何しに来たのよ?!」

オーメム「親友の所に遊びに来て何が悪いのじゃ?」

コノハ「親友ってミシアのこと? 図々しいし、早すぎでしょ?!」

オーメム「早く会いたかったのじゃよ」

怒るコノハに対し、オーメムはしれっと答えたものだ。


その後もオーメムはミシアに付きまとい、冒険者の仕事――魔物討伐――にまで付いてくる始末。

しかも、ただ付いてくるだけで、魔物との戦いに力を貸そうともしない。


コノハ「ちょっとあんた、いったい何しに来てるわけ?」

コノハは半ば怒り、半ば呆れながら、オーメムに文句を言った。


オーメム「何って、それはもちろん、親友の雄姿を見るために決まっておるじゃろう」

コノハ「そんな事のために、邪魔しないでもらえるかしら?」

オーメム「邪魔をしているつもりは無いがのう?」

オーメムは無邪気な笑顔を浮かべながら、ミシアに背後から抱き付いた。

コノハ「どう見ても、邪魔してるじゃないの!」


ミシア「ボクは別にいいよ? 戦いの最中ってわけじゃないし、よくタニアにも抱き付かれてたし」

ミシアは妹が小さかった頃のことを思い出して、ちょっと懐かしい気分になっていた。

オーメム「ほれ、ミシアもこう言っておるではないか」


コノハ「…む~~~!!」

コノハはくるっと向きを変えてアーキルの所に歩いてゆき、アーキルの耳を思いっきり引っ張った。

アーキル「いててて!!おい、オレは何もしてねーぞ!?」

コノハ「うるさいうるさい!」

アーキルが抗議しても、コノハは怒りで顔を赤くして俯くばかり。


ルディア「コノハ、落ち着いて。ね?」

ケニー「あのう、コノハさん? それは八つ当たりというものでは…?」

ルディアやケニーが仲裁に入ろうとしたが、コノハはケニーをぎろっと睨んだ。

ケニーは慌てて口を閉じて目を逸らしたのだった。

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