第2話 友達ができたよね

「俺と、友達になってください!!」


「え、あ、あの、いいですよ」


ヒョロガリって感じの声がした。


俺の目の前に立っているやつは先程のオタク君。俺はおっぱい美女からくるっと180度回転して真後ろにいるこのオタク君に話しかけてしまったのだ。要するに、チキった。


ああああ!!なにやってんだ俺ぇぇぇ!!


周りには校内案内のために、人移動を開始していたため、あまりいなかった。


それよりどうすんだよこれぇ。


「あ、ありがとう。じゃなくて、ございます」


「どういたしまして、僕名前は神先かみさき 幸也こうやと申します。呼び方は好きでいいです」


やはりオタクだ。オタクってのはだいたい礼儀正しい人が多いのだ。人と違うと目立ってしまうから。それは。という思いからの行動なのだ。


「俺は、鬼龍院 琴耶です。ことやって呼んでください。ヨロシク」


2人揃ってお辞儀をした。人数少ない体育館の中で俺は高校生活初めての友達をつくった。


「あ、神先氏そちらの人は誰ぞ?」


神先の後ろから熊、いや、デブオタという言葉がこれ以上似合う人がいるのだろうかという男がでてきた。こっちもメガネをかけてる。頭にI ♡ AK〇48みたいなハチマキ巻いてたら完璧だろうな。


「おお、葉瀬川はせがわ殿ではありませんか、こちらは鬼龍院 琴耶様であります」


神先の紹介に合わせて俺はヨロシクとぺこりする。


「琴耶殿。こちらはドルオタ兼アニオタの葉瀬川はせがわ 翔哉しょうやと言います。僕たち小学校からの腐れ縁というやつでして」


「琴耶氏ヨロシク、気軽にハセと呼んでくだちい」


ハセ??なんだ?


「ああ、琴耶殿、ハセとは葉瀬川のハセでござるよ。誰も呼んでるところ見たことないけど」


「いやいや神先氏、呼ばれているところを見たことがないんじゃなくて、俺たちは友達がいないだけだお」


「……………」「……………」


自分で言って落ち込んでんじゃねえよ!!

なんなんだよこいつら


「とりあえず高校ではよろしくまるですお」


「ああ、よろしく頼むよってか、校内案内そろそろ行かねえとじゃね?」


「忘れとったみ」「は!!」


いちいち反応がオタクくせえなあこいつらぁ。


けど、悪い奴らじゃあないんだろうな。



***



校内案内が終わり、学校の敷地内にある無駄にデカい掲示板にクラスわけの紙が貼られた。


「おーい、神先、ハセー!クラス貼られてんぞー!!」


オタク2人はこちらに走ってくる。

なんというか、素晴らしい光景じゃないか?こうなんというか、あまり見れるものじゃなくない?こんなザ☆オタクコンビ。


「ハァハァハァハァ、かみさ、ハァハァきしぃ、走るの、はやいハァハァ」


「おやおや、葉瀬川殿、そんな体力では、夏のコミケでは負けてしまうぞ?」


ええっとお、A組…B組…C組…D組…E組…


「あった!!俺はE組みたいだ」


「小生はどこでござるか……お!小生もE組でござる!!琴耶殿、一緒ですぞ!!」


「おいおい、慌てるなよ、俺が見終わってねえですよ……俺もE組じゃぁぁぁ!!」


「おお!」「なんとぉ!」


こうして俺は同じクラスに友達を作ることに成功した。(オタクの)

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