襲撃者現る

第7話 平和も束の間

そうして、邪悪なダークエネルギーも暴走することは無くなったし、とりあえず一安心だ。


都心部みたいなんもどんどん広げていっているし、もっと住人がいてもいいかもな。

ということで、たくさん召喚していた。


中には聖なる妖精ホーリーエルフっていう、邪悪な妖精ダークエルフと対になる属性の妖精エルフが召喚されて、邪悪な妖精ダークエルフと喧嘩になるところだった。俺が止めてなければ、間違いなく被害が出ていただろう。


喧嘩を止めたあと、聖なる妖精ホーリーエルフはふと思い出したように、俺に水晶玉みたいなものを渡してくれた。


「それは浄化アイテムと言って、体を浄化するアイテムなの。邪悪なダークエネルギーは、吸い取るだけじゃなくて、負の感情からもできるの。その邪悪なダークエネルギーが増えすぎると暴走してしまう。それで、邪悪なダークエネルギーを浄化してくれるのがこれ。浄化すると塵になって消えちゃうけど、それを吸引バキュームすると、新たな力に目覚めるの。説明はこんな感じね。」


へぇ、邪悪なダークエネルギー溜め込みすぎると暴走するんだ。邪悪な妖精ダークエルフが暴走するのは知ってたけど、俺らも暴走するんだな。きをつけよう。

新たな力ってのは面白そうだな。


「それってどんな力に目覚めるんだ?」


「それが分からないの。私たち妖精エルフでも誰も成功したことがないから、謎に包まれているのよ。」


「そんなに難しいのか?」


吸引バキューム自体は簡単なの。でも、力の制御が効かなくて、消滅してしまう可能性が高い。だから難しいの。」


ちょっとやばい感じか、まあ、邪悪な妖精ダークエルフ邪悪なダークエネルギーを吸ってるといずれかそうなるしそれはその時でいいだろ。最悪の場合力を手に入れなくてもいいしな。



そんな感じに呑気に話してると、


「杖を治さなくていいのか」←自称:神


忘れてた。でも治し方分からないし、仕方ないだろ。


「やり方が分からないんなら、そこにいる妖精エルフたちに聞け。」


コイツら知ってるのか。


「教えてくれさい。」


噛んだ。


「いいけど、意外と難しいのよ。」


「分かった。いいから教えてくれさい。」


また噛んだ。少し恥ずかしい。


「何を言っているの?まあいいや、教えてあげる。」





ものを直したりする方法は、空気中の魂と呼ばれるものを視る捉えることが一番重要で、他は感覚らしい。

魂を捕まえるような感じで手を動かして、直したいものに投げ込む。これは完全に感覚だ。

その感覚が一番難しいのだそう。


俺は前に相手の核を見たことがあるように、魂も視ることができるようになった。

あとは魂を投げ込むだけなんだけど、難しそうだな。


瞬間、雷鳴が轟いた。



「いよーっす、久しぶりー!!元気にしてたー?俺は元気だぜー。」



あらま、成功しちゃった。

いや、別に成功して欲しくなかったわけじゃないけど、一発で成功したら面白くないじゃん?ほら、取れ高がないっていうか・・・


「一発で成功しちゃったの?あんたすごいねー。私らでも5回やって成功するかしないかくらいだし、あんたってば天才?」


「いや〜、褒められても嬉しくなんてないてば〜。それより、杖の人格が変わっちゃってるけど大丈夫?」


「人格をもとに戻すのはほぼ不可能に近いから、別にこのままで大丈夫よ。前の記憶も引きついでるみたいだし。」


なら良かった、と言いたいところだったけれど、俺の目が遠くの生き物を捉えていた。

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