第22話
魔王討伐組……裸一貫となった魔王を最後に強襲する手はずとなっている僕たちは、今。
かなり暇になっていた。
自分たちの出番はかなり先。
今出来ることと言えば食料が尽き、飢餓状態なっている魔族を一方的にボコす人間たちと、強力な魔王の魔法に逃げ惑いながらせっせと魔王城の解体作業を行う大工さんたちを見守ることしか出来ない。
「アレスは論理的に証明できないものとか苦手だから、お化けとか大の苦手で私たちと心霊スポットに行ったとき、めちゃくちゃビクついていたんだよね!いつもはあんなに完璧ぶっているのにお化けにビクビクのアレスがまた、可愛くて」
「「「おぉ!!!」」」
「それでね、それでも。そんな状況下にあいても強気の態度を崩さないのがアレスだからね!口を回しに回して言い訳を並べ、ビビってないと必死にアピールするのがさらに滑稽で可愛いの!」
「良いわね……その有様が容易に想像できるわ」
「実に我が盟友らしき姿ではないか!」
「キリエもお化け嫌いの見栄っ張りだもんね。ノームと同じ姿を晒しそう」
「……何を言っておるのかわからぬわ!」
「ノーム様はいつも無理していますものね……王として、弱気な姿を見せまいとどんな時でも見栄を張りますからね」
「アレスってば王でもないのにね」
魔法を使って遠く離れたところにある魔族たちの領域である島を眺めていた僕……のすぐ近く。
そこでリーリエ、キリエ、ラレシア、シャルルが僕の暴露大会で大盛り上がりしていた。
「……ねぇ、本人を前に暴露大会するの辞めてくれんか?」
「アレスの話題が一番盛り上がるのよ。わかるでしょう?」
「そうね、ノームの話題が盛り上がるの」
「急に顔を合わせるすることになった私たちの共通点なんてアレスくらいなの。すべてを急ピッチに進めて私たちを困惑させているのだからこれくらい甘んじて受け入れて……というか、女子会中だよ!早く出て行って!」
「え、えぇ?」
僕が滞在していた部屋の中へと勝手に入ってきたリーリエたちから追い出される形で自分のいたところを僕は追い出されるのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます