第18話
タレシア王国とドレシア帝国が条約を結んだ。
まず、一度目の驚きだ。
トンロ皇国へとタレシア王国、ドレシア帝国の両国が宣戦布告した。
これが二度目の驚きだ。
トンロ皇国の前線が崩壊した。
これが三度目の驚きだ。
『喝采せよ、恐れよ、ひれ伏せよ、王の。魔王の帰還である』
そして、四度目だ。
三度目の正直を乗り越えての四度目、魔王の復活。
「これね」
「これだろうね」
「これでしょうね」
トンロ皇国と激しい戦争を繰り広げていたはずが、タレシア王国軍が援軍として駆けつけてくれたことで状況が一変。
一週間も経たずしてオロロ巨人王国の全領土は取り返され、タレシア王国軍はオロロ巨人王国を後にしてトンロ皇国の本土を目指して先へ先へと進軍していった。
一瞬でオロロ巨人王国の戦争が終わり、援軍も断れたオロロ巨人王国は一瞬で暇になり……その王であるラレシアは今、王宮で事務作業に追われている最中であった。
リーリエ、キリエ、ラレシアの三人で協力して取り組んでいた事務作業中に響いてきた謎の声を受け、これがノームの言っていた『びっくりすること』であると三人は確信する。
「というかこれじゃなかったらキレるわ」
「次に驚くことがあるとすれば魔王討伐になってくるであろう?すべてが終わった後なんぞ我は我慢できぬ」
「……ちょ、ちょっとでいいので頼って欲しいですよね」
事務作業の手を止めた三人は、三人で作業していた部屋に置かれたただ一つの空席へと自分たちが取り組むべき書類を次々と乗せていく。
「よし……これで」
三人が全ての書類を一つの空席に置き終えたそのタイミングで。
「やっほー、驚いてくれた?ごめんね、ちょっと野暮用があって魔王の復活宣言ぴったりの時間に来れなかった!」
書類でパンパンになった空席の隣にノームが転移してくる。
「よし。それじゃあ、ノーム。その隣の席に座って、机の上の仕事をすべて済ませない」
「……え?」
転移してくると同時に。
リーリエより告げられた言葉を受けてノームはぴたりと固まる。
「ほら、早くやりなさい……魔王云々はその事務作業が終わってからよ」
「世界を支配するノーム様であればたかが一国の事務作業くらい一瞬で終わるでしょうねぇ、えぇ!」
「ご、ごめんなさい。ノーム様……全部ひとりで頑張ってください!!!」
「……え?」
オロロ巨人王国の国王がやるべき事務作業。
それをすべて押し付けられたノームは。
魔族を手の平の上で転がし、世界の流れすらも掌握したノームは困惑と動揺を露わにするのであった。
あとがき
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『神より与えられしチート能力として異世界へと持ち込んだ女神が地上では何も出来ないことが判明したので、俺TUEEEEEは諦めて億万長者を目指そうと思います』
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