第4話
トンロ皇国が絶賛亜人戦争真っ最中で、戦禍はなおも拡大中。
タレシア王国内では政変に伴ったごたごた中。
世界が大混乱を迎えている中ではあるものの、既に学園に行っておらず、領内の事務作業はお姉ちゃんに丸投げ中。
王国内の事務作業もマリア様に丸投げしている僕は絶賛暇を謳歌していた。
「シャルルー、そこにあるお菓子もってきてくれない?」
今、僕が自室として使っている国王の為の広々とした部屋。
そこに唯一、僕の他にいる人間であるシャルルへと声をかける。
「良いよー」
すっかり僕と打ち解け、もはや敬語すらなくなったシャルルが僕の元にお菓子を持ってくる。
「私も食べて良い?」
「うん、良いよ」
僕はシャルルの言葉に頷く。
「んー、にしてもアレスはこんなところでダラダラしてて良いの?」
「え?うん……僕の計画的にはもう特に僕がやることないんだよね」
「そうなの?」
「うん……僕は個人としてそこまでの強さをもっているわけじゃないからね。僕がすることは世界の流れに少しばかりの介入を施すことくらいだよ」
「世界の流れに干渉するってだいぶ凄いことしてない?」
「僕の立場であれば結構簡単なことだよ?」
ましてや僕にはゲーム知識があるのだ。
そのおかげで伝承扱いになっている魔王の存在を明確に理解し、警戒しているドレシア帝国の皇帝と悪だくみするまでの関係になれたし、タレシア王国内のクーデターもしかりだ。
「とりあえず僕はしばらく休戦……裏でやることなら少しあるけど僕は今しばらく表舞台で大規模な活躍もしないよ」
「へぇー。そうなんだ。じゃあさ、じゃあさ。存分に私の訓練に付き合ってね?そろそろ新しい扉を開けそうなんだよねぇー」
「うん、そのつもりだよ……シャルルには期待しているからね。この調子で順調に強くなってくれ。僕を超えてもくれても良いからね?」
「えへへー。存分に期待してくれていいよ!アレスにも負けないつもりでいくから!」
僕の言葉を聞いたシャルルは笑顔でやる気を露わにした。
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