第33話
僕がお父様の許可も得て最大限にブレノア教を煽り散らかしたせいで完全に頭へと血が上ってしまったブレノア教からの過度な接触に呆れながらも変わらずに煽り散らかす日々を過ごしていたらあっという間に学校対抗試合の開会式の日となっていた。
……ここまで煽り散らかすと色々問題点出てきそうだけど、とはいえタレシア王国内において貨幣鋳造権を持っているフォーエンス家をどうこうできる存在はまぁ、いないから大した問題にはならんやろ。
ちなみに司法権は四大公爵家の一つであるリオンス公爵家が。
外交権は四大公爵家の一つであるオルワルド公爵家が。
外征軍事権は四大公爵家の一つであるロンメル公爵家が握っている。
王族は徴税権と外征軍事権とは別に治安維持並びに国体の維持のための軍隊を持っている。
元々は他民族であり、タレシア王国の中では少数民族の長であったタレシア王国の王族は圧倒的多数の他民族を支配するためにその土地において昔からの有力者であった四大公爵家の力を借りているので四大公爵家はバグレベルの権限を持っているのだ。
「今年のタレシア王国の生徒は随分と多いのだな」
「一応第三王子とフォーエンス公爵家の長男が生まれた年ですからね。僕も王子様も早生まれで他の貴族家が僕らとのつながりを得るために頑張って子を為し、その子供を産む猶予まであったことから爆発的に子供の数が増えたんですよ。うちの一個下も多いですよ」
「やはり子を為す難易度も、為してから産むまでの期間が短い人族の数はすさまじいな……我ら獣人であれば無理だ」
「だからこそ我ら人族が今、大陸の覇権を握っているのです。数は正義と言うことです」
「で、あるなぁ……」
学校対抗試合の開会式のために炎天下の中、多くの子供が闘技場内に並べられているが、僕とロンドル殿下、世界の権力者の中でも上澄みから生まれた子供は魔法によって冷やされた別室で開会式を特等席で眺めることが認められている。
「……だが、いずれ必ず……ッ!」
「ロンドル殿下がどのような野望を抱いているのかは知りませんが、私もいますよ」
「あ、あぁ……そうであったな。忘れてくれ」
僕はロンドル殿下と他愛の無い会話をこなしながら別室でゆったり開会式を眺めるのだった。
……マリア様。チラチラと僕の方に視線を向けてこないで。僕の婚約者がマリア様で確定的だと思われかねないから。
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