第23話
冗談のつもりで提案した僕の発言は。
あれよこれよという間にガチでやることとなり、放課後。
本当にSクラスの全員対僕というとんでもない模擬戦が行われることになっていた。
「もっとしっかり守って、簡単に抜かれ過ぎ」
共に向き合い、戦闘開始の旨を知らせる号令が発せられた瞬間に前衛をぶち抜いて後ろの後衛へと奇襲した僕は口を開きながらフルボッコにしていく。
まずはマリア様を気絶させ、その周りにいる生徒を叩き潰す。
「キャッ!?」
近接戦闘に全然対応出来ていない後衛職に対して片刃の剣で峰打ち。
どんどこ気絶させていく。
「ハァッ!」
そんな僕へとシャルルが剣を持って迫ってくる。
動き出しの速さとキレの良さはSクラスの前衛職の中でも飛び抜けている……素晴らしい成長具合だ。
「戦ってあげないよ」
僕はシャルルを相手に逃亡を選択。
シャルルを躱して僕の方に向かってくる他の前衛の生徒へと襲いかかる。
「あっ!?」
「このくッ!?」
剣を握るものが大半であるSクラスの前衛を尽く己の剣で叩き潰していく。
「やぁ!」
「リーチ活かそうとするなら投擲くらい注意しな?」
珍しく槍を使う生徒に対して石を投擲し、そのまま意識を吹き飛ばす。
「前線スッカスカ。これじゃあ後衛は動けないね?」
最初の奇襲から何とか逃れ、魔法を打つ準備を終えた後衛職へと僕は再び牙を剥く。
自分へと迫りくる数々の魔法をすべて剣で弾き飛ばし、あっさりと距離を詰める。
「……優しくしてください」
「はーい」
流れるようにして後衛職の人間を気絶させていく。
「これでさーいご」
「クソがッ!」
後衛職をすべて潰され……それでもなお自分の方へと向かってくる残りの前衛職を続々と気絶させていく。
「……何もさせてもらえなかった」
残ったのは徹底的に僕から避けられたシャルル。
「リタイアは駄目、ですかね?」
シャルルは剣を構え、僕への警戒心を最大限あげながらジリジリと距離を詰めてくる。
「リタイアする暇もないから安心していいよ?」
僕はシャルルの意識の隙間を縫うように一歩。
「……へ?」
いともたやすく背後を取った僕は首とんで意識を奪い、そのまま優しく受け止めた。
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