第25話
僕の作戦を簡単に話とこうだ。
1、メルボランに行き、リーリエを仲間にする。
2、サイクロプスを倒す仲間を集める。
3、集めたメンバーと共に桃色の花の群生地へとやってくる。
4、群生地にいるサイクロプスを倒す。
5、その際に己が死にかけることでリーリエの感情を昂らせて、覚醒を促す。
6、リーリエの力で咲いた桃色の花を採取してハッピーエンド。
僕が裏で進めていた己の計画のさらに裏側、犯罪組織などと共謀して進めていた素材集めや僕が無断で他国に渡ったことを合法とするための裏工作などは省いたうえで、リーリエたちに関係ある僕の計画を彼女たちへとすべて懇切丁寧に僕は説明した。
「……ふぅむ。母の為、か。それを言われれば我は弱いな。同じ立場の者が故。それにしてもやはりノームの審美眼は素晴らしいなッ!この我を仲間として見つけ出すとはッ!!!」
「いや、キリエに関しては僕ノータッチだよ?というか、予想外も予想外。僕の計算外。誰だよ、お前」
「はぅん!?」
僕の言葉を聞き、キリエが膝から崩れ落ちて、項垂れる。
キリエの存在は本当にイレギュラーだった……彼女の存在のおかけで僕たちのパーティーが素の力でサイクロプスに勝ちうるという事態を引き起こしてしまった。
「……サイクロプス戦の時、私を気絶させたのはノーム様でしょうか?」
最近になって馬を操る技術を身に着け、今も馬車を引っ張る馬を操ってくれているラレシアが僕に尋ねてくる。
「うん。そうだね……ごめんね。勝手に気絶させちゃって」
「そうですか……そうでしたか!いえいえ、全然!ノーム様であればだいじょうぶです!」
「そう、僕のせいだからラレシアは気絶したこと気にしなくていいよ。君が力不足だったわけじゃないよ……当然、僕が怪我したこともね。百、僕が悪い」
「……むむっ。今回に関してはそうですね。死んじゃうかもしれなかったんですから、気をつけてください」
「まぁ、し」
「あっはっはっは!流石は我とノームの運命力であるッ!計画を超えて結ばれた縁は強力そのもの!」
ラレシアの言葉に答えようとした僕の言葉を遮ってキリエが急に起き上がって高笑いを浮かべる。
「は、ははは」
それに対してラレシアが苦笑するという何とも……そう、何ともな反応を見せながら彼女は僕に疑問の言葉を投げかけてくる。
「それにしても、なんで私たちに全部計画を話してくれたんですか?ずっと隠していても……」
「まぁ、僕の旅はこれで終わりだからね。既に目的は達した……自由で楽しかった家出もここまでだ」
「えっ?」
ラレシアの疑問に答えた僕の言葉にラレシアが驚きの声を上げる。
「「えっ?」」
そして、それは今までずっと頬を赤く染めて固まっていたリーリエと高笑いしつづけていたキリエも同様だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます