第24話
森の中に佇む一つの馬車。
「はぁぁぁぁぁぁ!?全部想定通りだったぁ!?」
そこにリーリエの大きな声が響いていた。
「うん……まぁ、僕の計画通りメルボランでリーリエを仲間にして、そ」
「は?えっ……?ちょっと待って!?そこから!?」
サイクロプスを無事に倒し……それでも、僕のお腹が大変なことになっており、がたがたと馬車で進んでいたら僕が死んでしまうかもしれないということで休憩中だった今。
僕はリーリエたちに向けて裏でずっと隠していた己の計画、策略、目的を話していた。
「……え?あっ、そう。そもそもの話として僕の目的はあそこにあった桃色の花。あの花は特別な花で、咲くのに特大の聖なる力が必要。僕の魔力は聖と悪であれば悪より。僕の魔力を聖なる力への変換は不可能……なので、特大の聖なる力を持っている人を探していたんだよね」
リーリエの家系の先祖を辿ると、遥か昔の聖女に繋がる。
リーリエは先祖返りのような特徴を持っていて誰よりも遥か昔の聖女の力を色濃く受け継いでおり、彼女は桃色の花を咲かせるには十分なほどの聖なる力を持っているのだ。
ゲームの設定本に書いてあった。
「……それで見つけたのが、私?ま、待って待って?じゃあリリシアがゴブリンに襲われていたのは……」
「いや、あれは偶然。もっと地道に交流を深めていくつもりだった」
「あっ、なるほど」
「僕の計画は簡単。桃色の花を手に入れるために聖なる力を持っている人を仲間し、サイクロプスを倒せる人を集める。そのあとに集めたメンバーと共にこの町、ラステンへと移動」
「それで、私の聖なる力で桃色の花を……というか、そもそもの話聖なる力って何?さも当たり前のように出てきているけど」
「あー、そこらへんは後で話すよ。とりあえず今は聖なる力があると思っていて」
「わかったわ……それで?貴方の計画に自分が傷つくことも織り込んでいたってのはどうつながるの?」
「簡単だよ。リーリエってばまだ聖なる力を開花させていなかったからね。開花にはリーリエの強い感情を昂らせる必要があった」
「な、なるほど?」
「だから、僕はリーリエと仲良くなって、そんなリーリエの前で僕が死にかけて死地へと向かおうとする……リーリエにそんな僕を守らせたいと強く思わせることで、感情を昂らせる。それで覚醒にまで持っていくってこと」
「はひゅ!?」
自分が傷つくよりに仕向けた理由を聞いたリーリエは何故か顔を真っ赤にし、謎の声を発して固まってしまった。
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