第19話
僕たちの基本的な戦闘スタイルは相手がなんであろうと変わらない。
リーリエがバフと回復をばら撒き、僕が自由自在に動き回って撹乱しながら相手に攻撃を仕掛け、ラレシアがリーリエとキリエを守って、最後にキリエが圧倒的な火力の一撃をぶちかます。
「よっほっ、せい」
サイクロプス戦もその例に漏れず、リーリエのバフを受けた僕がサイクロプスの頭上から、背後から、横から、股下から、正面から。
ありとあらゆるところから攻撃を仕掛け、魔法と剣術でどんどんその体を削っていく。
「ガァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアア!!!」
既に僕を捕らえるの諦めたサイクロプスはラレシアへと己の持つ棍棒で攻撃を仕掛けるも、全てラレシアの大剣によって弾き飛ばされている。
巨大で頑強なラレシアはたった一人でサイクロプスのヘイトを集めて攻撃を食らっているにも関わらず、決して負けることなく踏ん張っていいる。
「これは我が栄光を示す道、世界を照らす賛美歌、世界の終着点へと至る果て。黄金にして永遠にして終わりなきして終わりある世界の海、権限せよ『黄金郷の海』」
何もかもを呑み込まんとする波荒れる水球がサイクロプスを覆いかぶさって荒れ狂う。
「……ァァァァァァアアアアアアアアアアアアアア」
「迸れ『天王雷狼』」
水球に呑まれたサイクロプスへと僕は雷魔法を向ける。
「ガァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアッ!!!」
荒れ狂う水球の水流でサイクロプスの体はズタズタに削られ、捻じ曲げられ、雷がサイクロプスの肉を焼き焦がす。
「────────」
サイクロプスを完全に呑み込み、真っ赤に染まった
「やったかしら?」
「ふ、ふふふ……我が魔法を幾度も喰らい、それでもなお立ち続ける英傑たる汝を我は祝福し、褒め称えよう!しかし!勝利したのは我だ!我の勝ち、我が天下よ!」
味方であるリーリエとキリエがフラグを乱立させる中。
「──────────────────────────ッ」
低く、轟く。
不気味な唸り声とくっきり見える闇の波動が水球を弾き飛ばす。
「……あっ」
「キリエッ!?」
闇の波動を浴びたキリエはあっけなく意識を飛ばし、その横にいたリーリエが動揺の声を叫ぶ。
「ぐぅ……ッ!」
そんな最中、僕は闇の波動に耐えるラレシアの頭に触れ─────。
「ど、どうしよう!キリエがッ!ノームッ!!!」
「一旦気絶したラレシアとキリエは撤退させるッ!」
僕はラレシアとキリエを持って、疾走。
未だ動かぬサイクロプスから距離を取り、戦い始める直前に貼っていた僕たちの陣地に二人を置き、リーリエが残っているサイクロプスの前へと戻る。
「ラレシアとキリエは大丈夫……二人はもう安全。ここら一帯はラレシアのおかげで魔物がいないし、何も問題はないはず」
「……そう、良かったわ。それじゃあ私たちは」
「こんな状態のサイクロプスを前におめおめと逃げられる気がしないよ?僕は。気絶する二人を抱えて」
先程までの緑の肌は何処へやら、黒く染まった肌に白目を真っ赤に染めた一つ目。
より禍々しく、より荒々しい姿となったサイクロプスが僕たちの前に立っていた……当然無傷。
「二人でちょっと頑張ろうか」
圧倒的な威圧感を漂わせるサイクロプスを見ながら僕はリーリエへと軽い言葉でそう告げた。
あとがき
レビューで批判されてもカクヨムの運営さんが勝手に消しちゃうから意味ないんだけどなぁ。感想で頼むンゴ。
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