第33話
「ごめんなさい!一体後ろに抜けた!」
「了解。対処する」
「いや、一体くらいなら私でも対処出来るわ!それよりも奥の魔法使っている奴を!」
「おっけ。任せた」
ミノタウロス。
それはラレシアには劣るが、それでもそこまで見劣りするほどでもない背丈を持った牛頭の大男たちの魔物であり、かなり強力とされる魔物の一種である。
基本的にはハルバードを手に持ち、脳死特攻してくる魔物ではあるが、大きな群れになってくると魔法を使えるものがいたり、弓を使ってくるものがいたり。
バリュエーションが増え、どんどん厄介になっていく。
「しッ!」
10を超えるミノタウロスの群れと戦っている僕たちのパーティーは死力を尽くして彼らと戦っていた。
大量のミノタウロスの股を抜けて突き進む僕は奥の方で魔法の杖を構えるミノタウロスの姿を確認出来たタイミングで短距離転移魔法を発動。
10~20mほどまでの距離を転移することの出来る魔法を使った僕は魔法の杖を持つミノタウロスの背後を取る。
「さようなら」
二本の短剣を首へと突き刺し、二振り。
強引に首を断ち切り、地面へと落とす。
「ガァッ!」
魔法を使うミノタウロスを守る役割を担っていたハルバード持ちのミノタウロスがようやく僕に気づいて攻撃してくる。
「よっと」
僕はそれを回避し、更に進んで転移。
次の標的は弓を持ったミノタウロスだ。
「……かったい」
全力で魔法の強化を施し、ようやくミノタウロスの首を落とすことが出来る僕は自分の火力の無さをボヤキながらなんとか弓もちのミノタウロスを倒す。
「火力が欲しいなぁ」
最大火力が自分であるという現状に歯噛みしながらも、僕は自由自在にこの場を動き回ってかき乱す。
「よっ、ほっ、さっ」
ミノタウロスの足の腱を斬って、歩行の難易度を上げ、肩を斬って武器を自由に振り回せないようにしてやる。
「せいッ!!!」
ラレシアが足の腱を斬られて思わず転んでしまったミノタウロスの頭へと大剣を何度も振り下ろして何とか一体倒しているのを横目に僕は大魔法発動の準備を終える。
「全部、燃やし尽くせ『イフリート』」
炎の巨人が地上を覆い、ミノタウロスを襲った。
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