第30話
魔物とは体内に『魔瘴』を溜め込む魔石を持った獣である。
この魔瘴のせいで魔物は見かけた生命全員に襲い掛かるほどの凶暴性を持ち、この魔瘴のおかげで強靭な力を有している。
魔物は空気中の魔瘴の濃度が高ければ高くなるほど強力となるのだ。
実は、魔物を強力となる魔瘴濃度がかなり高い巨大な森林がメルボランのすぐ隣に存在している。
天魔の森。
奥に行けば行くほど魔瘴が濃くなり、それに伴って奥に行けばいくほど強い魔物が生息しているその森、天魔の森を頭に僕を乗せるラレシアがずんずんと進んでいく。
リーリエはそんなラレシアのあとを必死に追う。
巨人であるラレシアの一歩一歩はかなり大きいため、それに伴ってラレシアの進む速度はかなり早く、リーリエが普通に歩いたらすぐに置いていかれることになってしまうだろう。
「ここらへんかな?」
道中。
自分たちへと近づいてくる魔物を悉く魔法で遠くから撃ちぬいていた僕は口を開く。
「そろそろ私の出番?」
そんな僕の呟きを聞いていたラレシアが僕と同様に口を開く。
「うん。そうだね。そろそろ出番かな。ラレシアに戦ってもらおうと思っているオーガとかがこの辺りになるーとぉ?あらま、ずいぶんと運がいい。オーガ発見」
言葉の途中でオーガの気配を敏感に感じ取った僕は指を鳴らして笑みを浮かべる。
「おぉー」
「こっちだよ、ラレシア」
「はーい」
オーガのいる方角を僕から聞いた彼女はそちらの方へと向かって歩き出したのだった。
あとがき
高校の文化祭疲れたぁ。13時に投稿できなくてごめんなさい。ちょっと時間がなかった……。
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