第17話
ゴブリンの巣穴。
山のふもとの洞窟に作られていたその巣穴へと僕とリーリエは襲撃を仕掛けていた。
「ちょっと多すぎないかなぁ!?」
「そうね……ッ!これは……ッ!想像以上!」
結構軽い気持ちで巣穴へと突入した僕たちを出迎えたのは万を超えるゴブリンたちであった。
「もう一国の軍隊ぞ!?そして……どんだけ広いんだよッ!ここ!」
壁を駆け抜け抜けながら僕は悪態をつく。
自分の方へと向けられる百を超える矢に百を超える魔法。
それらをすべて結界で防ぎながら大暴れ……大量のゴブリンをただのたんぱく質の塊へと変えていく。
「……これ、巣穴の外に逃げているゴブリンが不味いわ!?」
僕と同様に結界で相手の攻撃を防ぎながらゴブリン相手に悪戦苦闘しているリーリエが巣穴の出入り口の方に視線を送りながら焦った声を上げる。
「もうしょうがないッ!諦めよう!足を止めてたら普通に結界ぶち抜かれる!」
これだけの圧を前に足を止めていたら流石に死ぬ。
「……どんだけゴブリンジェネラルいるんだよ!」
地上を跳躍。
天井へと足をつけた僕は巨大な大剣を持ち、こちらを睨みつけている他のゴブリンと比べて三つ回りほど大きく、肌の黒いゴブリン。
ゴブリンジェネラルへと視線を向ける。
「おせぇ」
小規模な街くらいであれば破壊しつくせるほどの力を持つゴブリンジェネラルの頭上に立った僕は腕を二振り。
何の反応も出来ていないゴブリンジェネラルの頭を落とす。
「ガァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアア!」
他のゴブリンを肉塊にしながら突っ込んでくる更にもう一匹のゴブリンジェネラル。
大剣を振り回しながら圧倒的な巨体でこちらへと近づいてくるゴブリンジェネラルの迫力は圧巻である。
「ガァッ!」
自分へと振るわれた大剣を足場に僕は更に跳躍。
通り抜けざまに大剣でゴブリンジェネラルの首を落としながら僕は地面を駆け抜ける。
大量の魔法を噴射しながら。
「凍りなさい」
そんな僕を横目にリーリエも自身の持つレイピアを一振り。
自身の半径50mほどにいたゴブリンをすべて凍らせ、そのまま破壊。
冷たい氷の粒があたりに散る。
「……私もノームも怪我しないから一番私が得意とする回復魔法が輝かないわね」
「まぁ……怪我したくとも怪我出来ないよね。これ。少しでも結界破られたら死亡よ」
リーリエの横へと降り立った僕は肩をすくめながら言葉を漏らす。
「確かにそうね。そもそも私もノームも素の防御力な高くないし……こんな阿保みたいな量の矢と魔法に襲われたらひとたまりもないわね」
ここまでで僕とリーリエは共に一騎当千。
大量のゴブリンを倒してきた……それでも終わりが見えない。
わらわらとゴブリンやその上位種、オークジェネラルの数々が迫ってきていた。
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