第14話 お偉いさん2
「俺は今、スライムダンジョンを2つとオークダンジョンを所有しています。これ以上、ダンジョンの氾濫を阻止しろとおっしゃいますか?」
周りのお偉い方の注目がギルドマスターへと向かう。ギルドマスターは冷や汗をかきながらも答えた。
「本当です。それどころかスライムダンジョンの一部を探索者見習いに貸し出し、専業探索者の育成まで手伝ってもらっています」
この言葉に内閣〇〇〇の人は顔を青くしている。総理〇〇は、そんな内閣〇〇〇の人をにらみつけている。そんな状況でも内閣〇〇〇の人はギルドマスターにいらだちをぶつけた。
「そんな報告受けていないぞ。報連相は社会の常識だろう。しっかりとしてもらわないと困るよ」
ギルドマスターは形勢が逆転したことを感じ取ったのであろう。強気でこう返す。
「そういうのであれば、私の役職を他の人間に勝手に任せていたのは何処の誰なのですか。それに彼は探索者ではありませんし、その恩恵を受けた探索者の一覧は既に報告をあげさせていただいております。ちなみにその探索者はこの、ゴブリンダンジョンの氾濫で民間人を退避させるために命をかけて行動をしてくれていることもしっかりと報告済みですよ」
ちなみにこの場面は【ドッペルゲンガー】がしっかり撮影しており、アメリカの会社に頼んで日本の放送企業へしっかりと送られている。天〇の下からの物言いには面を食らったが、内〇の上から目線の物言いと探索者たちを全く管理できていない現状は日本全土に放送されていた。
「それで総理〇〇はこれ以上、俺に何をお願いしたいのですか?上級ダンジョンの攻略ならお断りします。下級ダンジョンも所有して責任を負っている立場ですのでその上、他のダンジョンの攻略など無理でしょう」
実際にやろうと思えばできるのだが俺にそんな気はなかったし、【ドッペルゲンガー】の能力を知られていないと信じ、強気に出た。
そんな俺に対して、総理〇〇のふり絞ったような最後の言葉は。
「スライムダンジョン2つを我々に販売していただきたい。そのような有用なダンジョンを個人の自由にさせておくのは国の損失です」
思いっきり強がりだったが、取られても痛くもかゆくもないので。では1つのスライムダンジョンにつき5000万で。
買値の2倍の値段を提示した。だがそれにも気づいていないようで。
「では一億、明日までに用意させていただきます」
総理〇〇はやってやったという顔をしていたが、今まで短期間で探索者を育成できていたのは湧きポイントを熟知し最速でスライムを湧かせていたためだ。
お偉い方がそのことに気付くのはもっと後の話だった。
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