第11話 災害

俺はスライムダンジョンでのレベリングの依頼を受けつつ、オークダンジョンで見つけた鉄鉱脈の開発に力を入れていた。


ダンジョンの資源は一定時間で元に戻る。なので資源が見つかったダンジョンは価値が爆上がりするのが一般的なのだが、資源が鉄なこと、場所が日本なことが原因でダンジョンの価格は上がらなかった。


まあ、俺は暇つぶしの意味を込めてこのダンジョンを貰ったため別に欲しい人が現れれば売ってしまっても構わないのだが。


まあ、中級ダンジョンの資源が鉄では日本では買い手がつかなかったため、攻略を続けていた。それをダンジョンのそばに放置していたのだが、売って欲しいという依頼が数件来た。


ちゃんと依頼をしてきた人には少し安めの値段で販売する代わりに運送などの手配は自身で行うことを条件とした。中には勝手に持っていこうとする輩もいたため警告を出す機械とカメラを持った【ドッペルゲンガー】を配置したのだがそれでも盗み出す輩がいたので警察に突き出させてもらった。


そうして4か月を迎えようとしていたあるとき、レベリング第1陣の1人がゴブリンダンジョンで失踪した。その後、残りの3人で調査を行ったのだが、ゴブリンダンジョンで上位種のゴブリンキングが発見された。


ダンジョンで上位種が発生する最も大きな要因は魔力量が高止まりすることだ。今は探索者をどんどん増やしている最中だったのだが処理がおいついておらずキングが発生してしまったのだろう。


というのが、ギルドマスターの見解だ。この一件が発表されて探索者になろうとしてスライムダンジョンでレベリングをしていた人の半数が魔石の確保数が落ち込んでいた。


残りの半数は、おそらく探索者の危険性を理解していたのだろう。他の候補生が落ち込んだ分やる気を出したようで魔石の確保数が上がっていた。


そうして、時間が流れていく中でゴブリンキングは自衛隊によって討伐された。


だが、それで解決するかと思われたゴブリンダンジョンの異変はもっとひどい結果で幕を下ろす。さらに上位種のゴブリンロードがいたためダンジョンの魔力が高くスタンピートを起こしてしまった。


自衛隊もダンジョンの様子を確認するために現地に残っていたが重火器に頼っていた彼らは、弾薬がなくなった後は無力と化した。


そうして、ゴブリンたちは街の方へと流れていった。

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