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喫茶店〈カルメン〉には、色んな職種の人間が来店する。サラリーマン、専業主婦、どこかの中小企業の社長、様々だ。そして、僕と双葉が望んでいる客、フリーライターの男が今来店していた。

この男は、以前からたびたびカルメンに来店するので、親父との会話の内容から普段なにをやっているのかということは知っていた。

そしてその男は、カウンターでコーヒーとカレーライスを食しながら、親父と他愛ない会話を交わしている。

「最近、ここらも物騒になったものですね。そういえば、マスターのお子さんが通っている学校も大変みたいじゃないですか」というデリカシーのない言葉に親父は苦笑しながら応対していた。それから事件とは関係のない話を一方的に話してから、男は「また来るよ」とお金を出して、帰っていく。

僕と双葉は、その男の後をつける。もちろん、今回の首切り殺人事件の情報をその男から得るためだ。

男は狭い路地裏を迷いのない足取りで進んでいく。

それからふいっと曲がり角を曲がった。僕たちは見失わないように小走りで曲がり角を曲がる。と、

「俺になんの用かな、お兄ちゃん」にいい、と口角を上げて、こちらを向いて待っていた。「今、ここら辺は物騒だから、無意味に出歩くのは関心しないねえ」

僕は、その名前も知らないフリーライターの男の言葉に耳を貸さず、いきなりその顔を殴った。

「?」その顔にはさっきまでの愚弄していた表情はなく、驚きに目を見開いていた。

「よーよー、おじちゃん、誰にそんな台詞を吐いてるかわかってんのかい?」きゃはは、と僕の隣にいる双葉は笑う。

そして、僕はその男の腕を、ぎりりと音がするかのように後ろ手に捻りあげる。骨が折れるかどうかの強さで。

「おい、俺にこんなことしていいのかい?訴えるぞ」額に汗を滲ませながら、男は凄む。

「こっちが聞きたいことに答えてくれたら、すぐに解放してやるよ」と僕はなんの感情も込めず言った。


首切り殺人事件の被害者三人の名前と住所を僕たちは掴んだ。非合法ぎりぎりのやり方で。

まずは青葉学園での被害者の方から追ってみるか、と僕と双葉は話し合い向かった。

果たして、その被害者、どこぞの中学校に通う女子生徒の両親はバラバラ殺人の被害者と成り果てていた。

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