第55話 クエスト連打

クエスト連打


そこからのクエストはまるで嵐の様だった、まず俺と聖女は前準備として彼女の書斎がある聖堂へと行き、この国から離れる為の計画を話合ったのだが、そこに第2王子が詰めかけ求婚する。


「聖女マリカよ、私の願いを聞いておくれ!」

【クズ王子を撃退せよ:殺さないで諦めさせよう】

(んな、殺すなって面倒な…)

「いきなり入って来られても、その話はお断りしたはずです」


俺は聖女に一応提案してある、俺と婚姻すると嘘をついてこの場を逃れようと。


「私はこちらの勇者様と一緒になります、ですからあなたの願いをかなえることはできません」

「そんな…」

(これで引いてくれ)

「くそー、勇者この場で決闘を申し込む!」

(そう来たか)

【第2王子を打ち負かせ:負けると終わり】

(終わりってなんだよ!)


勿論負けることなど無く、試合後はすぐにこの場を離れ中央都市の転移クリスタルのある大広場へと向かう。


「ここです」

「すぐに発ちましょう」

【王国兵を退けろ:クリスタルにさわり転移できればクリア】


そこには当然のことながらこの国の兵士数人が警備しており、俺達2人には捕縛指令まで出ていたのだが、もちろんそこにいた兵士全員当分起き上がれないようになってもらった。

NPCなので殺すところまでしなくても途中であきらめてくれる設定らしい。


転移クリスタルを使用してやってきたのは隣の国、レリンダ王国の中央都市ラーダム。

そこで俺と聖女マリカは宿を取ることになった。


「部屋は別々でなくていいですよ」

「え そうですか?」

「ええ」


宿屋は普通の一泊二日朝食付きで銀貨1枚、そこでは聖女から色々な話を聞いた。


「私は帰ってもいる場所が無いのです」

「それはどういう」


彼女の家は厳格な家庭で女はある程度成長したら嫁に行くものだと教えられている。

それは決定事項であり、その他の自由は無いらしい。

反発すれば家を出るだけでは無く勘当同然になり二度と帰れない。

だからここにいる方が良いと思っている、それに聖女としての仕事が自分を救ってくれていたとも話してくれた。

それなのにこの世界でも自分が女としてみられて、しかも婚姻を迫られるとは。


「家出しても良いのでは?」

「ですがどこで暮らせば?」

「そうなるとお金か…」

「そっち系のお店で働くことはできませんか?」

「別に構わないけど…」

「それじゃあ戻ったらその線で生活をできるようにしていきましょうよ」

「そうね、それしか無さそう」

【魔物の襲撃:王国に隣国から魔物を使った襲撃が有ります、最低100匹倒せ!】

(えー)


ようやく一息ついたと思っていたら、またもやクエスト発生。

しかもこのクエストからはイヤな予感がしてくる、100匹の魔物と言う事はそれで済むような数ではなさそうだ。

そんなことを考えていると外がやたら騒がしくなってくる。

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