第41話 カリンのクエスト
カリンのクエスト
鉱山での魔石収集はあっという間に終わったのだが、途中で又面倒くさいクエストが発生してしまい、急遽そのクエストをこなすことになってしまった。
もちろんそのクエストとは腐れ縁のクルミン事、久留実がさらわれてしまった事に由来する。
【クルミンと一緒にゴブリン退治:クルミンがゴブリンにさらわれた、クルミンが死んだら終わり】
「うそだろ!」
先ほどまで一緒に魔石採掘をしていたのだが、少し目を離し隙に斎藤久留実の姿が忽然と消えていた。
「どこ行きやがったあいつ!」
「オートマッピング、サーチ」
先ほど手に入れたスキル【敵兵のサーチ】魔石を収集していたらいつの間にかスキルが増えていた。
探すことに特化したスキル、マップを表示させサーチスキルで久留実を探すと、坑道の奥へと移動している点が5つ見えた。
「あっちか!」
「タタタ」
採掘していた場所からさらに奥へと進んで行く、坑道は狭く人2人が並んで進むには狭いが。
ゴブリンの大きさは人族の3分の2ぐらいというサイズの為、まるで走って移動しているようだ。
もしかしたら久留実はゴブリン数匹に担ぎ上げられて運ばれているのかもしれない。
「まて!このやろー」
そこは又坑道が少し広がっている場所だった、その奥にはゴブリン達の根城が有った。
その総数は100匹を超える、そしてゴブリンキングがその場所に君臨していた。
「キャガア、ガガギ」
「ガガガガ、グゴグガ」
「何?何するの、やめて!」
ゴブリンあるある、まずは着ている服が全て脱がされ久留実はスッポンポンにされてしまう。
目の前には一回り大きなゴブリンが、口から涎を出しながら近寄って来る。
手足はいつの間にか石の祭壇のような場所に縛り付けられ身動きが取れなくなっている。
「何、いや やめて!」
(なんでこんなめに…)
いつの間にか下半身には一匹のゴブリンが久留実の下半身を舐めまわしている、いくら身をよじってもその一匹が離れない。
それは何かの儀式、裸にされ祭壇の上に縛り付けられされることと言えば。
そう生贄だ、だがゴブリンがする生贄の儀式とは何か。
繁殖力の強い彼らは同族のメス以外にも人族ともまぐわい子を産ませることができる。
しかもそこには人族と変わらない大きさを持つゴブリンキングが部下のゴブリンに前処理をさせ、前戯が終わるのを待っていた。
「イヤー!」
その大きさは人族と同じというより一部がやたら大きかった、それは子孫を沢山作るための形状。
AIアプリでそこまで再現するとは思えないぐらい精密に、そして醜く形を再現していた。
「グアフグアフグアフ」
「イヤー ヤダアー」
とうとう前処理が終わったのか押し広げられた股間に、醜い何かが押し付けられて行く。
だが、それを待ってやるほど花梨は甘くなかった。
「ちょっとまてこのやろー!」
【クエスト追加:ゴブリンキングを倒せ!:ゴブリンキングを倒すとお宝ゲット・逃げられるとクエスト失敗】
【ゴブリンを殲滅せよ:ゴブリン100匹倒す、99匹以下だとクエスト失敗】
「おまえらー」
「ガキググガ!」
「ウオー」
そこからはメチャクチャだった花梨はとびかかって来るゴブリンをその拳で全部叩き落とす。
既にAT1000を超えている花梨にはDF100も無いLV3から5程度のゴブリンなど1発でその体が飛び散ってしまうほどの攻撃力があった。
拳を突きだすごとに飛び散る肉片と内臓、そして何故か緑色の血液が拳に体にはじけ飛ぶ。
「バチュン ギチュン ドチュン」
「グカ ゴガ ガガ」
生贄を目の前にして、お楽しみのお預けを喰らったゴブリンキングLV30、あっと言う間に部下の数が減って行く。
とうとう後5匹と言う所でその光景にビビリ出した。
「ゴゴガグガ」
「ゴググ」
何とゴブリンキングが部下を盾に逃げる事を選択した。
「にがさん!」
「ドン!」
かりんは一気に逃げようとしているゴブリンキングに飛びかかる、横からそれを防ごうとするゴブリン達、だが花梨の力は既に彼らの力など及ぶところではなくなっていた。
「てめーコラ逃げるな!」
「ヒュン」
「バキン!」
「ザザー」
ゴブリンキングの後頭部に見事に突き刺さる花梨のキック。
その威力は正拳突きよりは劣るがすでにLV47まで上がったAT値は、ゴブリンキングの頭を簡単にもぎ取っていた。
着地し片足立で足蹴りを数回試しに繰り出す花梨。
「シュシュ!」
「久々に飛び蹴り決まったな」
「何、どうなってんの?」
あわや貞操の危機と言う所だった久留実、またもや助けてもらい九死に一生を得たが。
花梨の方はと言うと、やれやれまたかよと言った所だろう。
「あんた、鍛えないとダメじゃね?」
「その前にこれ外して…」
「やられてしまえばよかったかもね、どうせもう経験済みでしょ」
「え~ゴブリンと何てヤダー」
別に助けなくてもクエスト失敗となるだけで、久留実が死ぬわけでもないのだが。
わざわざこいつの貞操を守ってやることに、少し納得がいかない花梨だった。
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