第35話 花梨は洞窟の中
花梨は洞窟の中
所は変わり花梨のいるロック村、双子の手助けを終え現在は頼まれた仕事をちまちまとこなしている、いやそれは仕事と言えるのか、彼女にとってはタダ働きに近い。
しかもお泊りしていた家の双子がやらかしてくれる、双子の名前はミカンとリカン、面倒なのでミカとリカに短縮して呼ぶことにした。
「坑道の奥の岩盤がやたら硬くって俺達の道具じゃ歯が立たねえんで」
「それでアタイに何しろって?」
「出来ましたら一発、岩盤をガツンと…」
「あんたら話しちゃったのか?」
「お姉ちゃんすごーいっていったら、おじちゃんが聞いてきたから…」
(これクエストじゃないのか?)
「分かったよ1発だけな」
「恩に着るぜ、姉御!」
「姉御じゃねーから、馴れ馴れしいな全く!」
頼まれて仕方なく鉱山の坑道の中へと連れていかれてしまった、確かに岩であるならそれがたとえ金属含有量50%を超えていても、花梨の手に入れたS級武器ゴッドブレイカーならば破壊可能だ。
連れていかれた坑道の最奥部はかなり広く削り取られていた。
「ここは?」
「現在の最奥部です、この先の岩がかたくて周りを大きく掘っていたらここだけ広くなってしまいやして」
「フーン、でこの先岩だけなのか?」
「へい 水や温泉が有ればすでにこの場所も濡れてやすから」
「分かった少しどいていな!」
付いてきた鉱夫6人を下がらせると、ゴッドブレイカーを手に装着し股を開いて大きくタメを作る。
「ハー!セイ!」
「ドグアン!」
「バラバラバラ…」
「グラグラグラ…」
「おいおいやばくねーか?」
【クエスト発生】
【ロックドラゴンを退治せよ:LV50、洞窟の中にドラゴンがこいつを退治しないと鉱山で安心して採掘できやしない】
(いきなりLV50ってなんだよ)
ちなみにまだLV4の花梨、戦闘は先日戦ったロックワームだけ、いきなりLV50の敵と戦えるのだろうか。
「地震か?」
「グラグラグラ…」
「グラ…」
「収まって来たな」
「あれを見ろ!」
「穴?」
「どうやら奥に道が続いているようだな…」
「灯り貸して」
「は ハイ」
(クエスト発生って出たよな、てことはこの奥にいけってことだよな…)
LV制と言う事を全く考えてない花梨、ノブユキならば即逃げたかもしれないが花梨は全くそういう細かいことは気にしていない。
もしかしてゴッドブレイカーは花梨にとって唯一無二の武器なのかもしれない。
いつの間にか手に入れたスキルにはこんなものが。
【恐れない心】
【精神力アップ】
【ピンチで攻撃力アップ】
だからといってLV4でLV50のドラゴンを退治など出来るのだろうか?
洞窟の中、そしてここには思いもかけない人物が待っていた。
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