第30話 菅田聖弥(スガタセイヤ)
菅田聖弥(スガタセイヤ)
彼は久留実の彼氏だが、別に久留実だけの彼氏ではない。
他にも2名付き合っていたりする、現在彼はホストクラブでアルバイトしている下っ端ホスト。
少し顔が良いだけで、これと言って取り柄が有るわけでもない、現在は折られた鼻を直すため病院通い。
まさか未成年に酒を勧めていたとは言えないので、警察にも相談できず治療費を請求することも出来やしない。
この痛みもかかった治療費もバイト料からの出費でどうにかするしかない。
しかも金ツルとして付き合っていた女の一人、久留実も行方不明となってしまい、バックレた時の文句ひとつも言う事が出来ない状態。
まさか女子が全員バックレてしまうとは思ってもみなかった。
一緒にいた男2名も金を置いてすぐに出て行ってしまい、痛い鼻を押さえながらアパートへと帰って来た。
当分はホストのバイトもお休みするか、鼻を気にしながらヘルプにつくことぐらいしかできない。
23歳大学4年、一年留年している為親の仕送りも止まったまま。
実家からは卒業するまで帰って来るなと言われている、金もないのにバイトしながら勉強するなど性に合わない。
まあ他にも女が2人いるので、現在はその女に貢がせようとしていたりする。
「セイちゃん、また泊って行く?」
「アリサが良いならいつまでもいるよ~」
「でもどうしたの、このお鼻」
「つまずいたら階段の角にぶつけたんだよ」
「そうなんだ~ドジっ子ね」
「そうだ、又金貸してくんない?」
「え~ この間も貸してあげたじゃない」
「今度は治療費だよ、これみてよこれじゃクラブのバイトじゃ稼げないっしょ」
「それよりも私、話が有るんだけどな~」
「話って何?」
「あたしさ~結婚すんだよね~」
「じゃあなおさら金貸して いや金よこせよ、そうしないと結婚相手にばらすぜ」
「セイちゃんそんな子だったんだ~、お姉さんショック~」
「今まで若い男相手に楽しんだだろ、金よこさないと別かれてやんねーぞ」
「え~」
3人の内2人が自分から離れて行く、この状態ではバイトに行ってもパシらされるだけで、次のカモを見つける事すらできない。
ならばこの女から取れるだけ取るしかない。
「セイちゃん止めておいた方がいいよ~」
「金さえくれればバラさないからさー」
「ほんとに~」
「ほんとホント」
何とか頭の緩そうな彼女を説き伏せ金をせしめたセイヤ、5万を手に入れ何とか数日は暮らせそうだが。
まさかこの後地獄に送られてしまうとは思いもよらなかった。
「バカな女だぜ、だがもう潮時か、あと数万引き出したら他の女見つけるしかなさそうだな」
本日は結局、自分のアパートへと戻ることにした、まさか他に男がいる奴のアパートに泊ってHまでした場合。
後で慰謝料請求なんて言われたらたまったもんじゃない、今までは婚約者がいるなんて知らなかったから良いが、知っていて不貞行為をしたならどうなるのかぐらい、ホストになった時に先輩から教えてもらった事が有る。
まあ仕事柄そういう事が有っても言い逃れすることぐらい訳ないのだが、他人に取られた女とHをしたいと思うほど飢えちゃいない。
(くそ~、鼻がうずくぜ、まあいいか…鼻が治ったらバイト復活してどこかでナンパでもするか…)
そんなことを考えていると眠気が襲って来た、医者から渡された痛み止めのせいかもしれない。
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