第27話 岩トカゲ攻略
岩トカゲ攻略
その大きさは3メートル以上、現世ならばコモドオオトカゲを一回り大きくしたような姿は恐竜に近いと言って良い。
体は鱗のような硬質の皮膚で覆われ、岩のようなその皮膚の厚みが5センチ以上ありそうだ。
そしてその背中に、何故か毒消し草が所々生えていたりする。
彼らはそれほど動いていない、集団で甲羅干しでもしているかの様。
「よっほっ!」
岩の上をまるで飛び跳ねながら移動する花梨、作戦を思いついたらしい。
(花さえ手に入れれば…つう事は、無理に戦わなくてもよくね?)
その通り毒消し草10個を手に入れる事、それが最初のミッションである。
だが岩トカゲが黙って毒消し草を取らせてくれるのかが問題だった。
「ほっよっ」
(まずはいっぺんに2つ!)
「タッ!ブチッ!」
まるで気が付かないのか、花梨が蹴とばしても微動だにしない岩トカゲ。
だが後1つと言う所で1匹が花梨に気が付いた、その目がこちらを警戒しピクピクと動く。
「グガー」
(ま まずい!)
「ドン!」
1匹がその足で地面を踏みしめると10匹全てがムクっと起きて同時にこちらをにらみつける。
「あと一つ!」
「スタッタッ ブチッ!」
(これで終わった!)
「バシン!」
最後の1本を取り終えた所で岩トカゲの尾が真後ろから花梨を叩いた。
「グッ!」
「ドン!」
「イッターイ!」
今の攻撃でHPが半分持っていかれたが、LV4に上がっていたため何とか死ぬところまで行かなかった。
「グーガー」
「ヤベ!」
岩トカゲから1発喰らっただけでHPが半分になったが、他は何ともない。
花梨は立ち上がるとすぐにジャンプして岩から岩へと飛び移って行く。
(今のもしかしてやばかった…)
LV4の戦士、HPは装備のおかげで200近くまで上がっており、DFスキルのおかげもあってLV5の岩トカゲからの不意打ちでも致命的な怪我はしなくて済んだ。
だが、このままではこの先のクエストやアクシデントを乗り切るのは難しいと言える。
「取って来たよ、早くお母さんの所に行こう!」
「お姉ちゃんありがとう!」
2人の少女が先導し彼女らの母が待つ村へとやって来る、岩だらけの台地から下り、さらに1時間荒れ地を歩いて行くとようやく木と石で組まれた民家らしき建物が数軒見えて来る。
全体は石垣で壁を作って有り、外敵から村を守るようにしているのだろう。
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