第26話 次は岩トカゲ

次は岩トカゲ


まさか花がそんな所に生えているとは思ってもみなかった。

毒消し草を探す事数分、この台地の岩を避けながら何とか進んで行くと、そこには花らしきものが。


「多分あれよ!」


もっと何本も生えていると思っていたのだが、そこに生えているのは2・3本ずつ間隔は結構広範囲であるが、花の生えている場所が問題だった。


「あれ動いている?」


よく見ると花の下には岩に同化したトカゲのような生き物が、しかも1匹ではなく10匹ぐらいうようよしている。


「お姉ちゃん無理かも…」

「え~ どうしようお母さん死んじゃう」


そう言われて、逃げる性分ではない花梨。

パソコンゲームもアプリゲームも知らない花梨だが、一度両ほほをパシンと音が出るくらい叩いてカツを入れる。

少し赤くなったほほ、空手の試合が有る時はいつもこうして自分を鼓舞する。

(大丈夫 行ける!)


「二人はここで待っていて、ぜったいお姉ちゃんが何とかしてあげるから」

「ウン」


ロックワームLV4を倒した勢いはまだ消えてはいない、本来ならば素手で倒せる相手では無かった最初の魔獣。

たまたま相手の属性にこちらの武器が勝った幸運、この場所には花梨が最初に選択した武器がベストマッチングだった。

但し、今度は複数の敵を相手にしなければならず、この世界に入り込んで数時間の花梨に果たして岩トカゲ10匹を倒すことができるのだろうか。

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