第25話 始まりの大地
始まりの大地
花梨が転送されたのは岩だらけの大地、先ほどいた場所からさほど変化はないが、こちらの方が気温は少し高い。
だが岩の大きさはこの台地の方が大きかったりする。
「さっきと変わんねーじゃん!」
「ゴゴゴゴゴ」
「た 助けて!」
「キャー」
「な?」
大きな岩が転がる、そこは1k四方の台地であり基本岩しか見当たらない。
そこに少女と思しき2人が岩を避けながら逃げ回っている。
「ゴゴゴゴ」
「いや~」
女の子2人は逃げ回りながらいつの間にかこちらへ突っ込んでくる。
「どいて~逃げて~」
「え にげてって ど 何処へ?」
追ってきていたのは岩の塊、スキルの鑑定を使い動く岩を鑑定してみる。
ロックワーム:別名岩ミミズ・その表皮は岩のごとく硬く通常武器ではほぼ太刀打ちできない。
「やってみるしかなさそうだけど…」
こちらへ向かって突っ込んで来る岩の化け物、花梨はその前に仁王立ちをして構えると一閃。
「セイッ!」
「バガン!」
「ゴロゴロゴロ」
「す すごーい」
いつの間にか脇の岩場に隠れていた少女2名、花梨の正拳の威力を見て驚いていた。
まさか正拳一発でロックワームをやっつけることができるとは思ってもみなかった。
【LVが3つ上がりました】
どうやらロックワームはLV4だったらしい、本来ならば岩の化け物に傷一つ付ける事さえできないはずが、手に入れたSクラスのナックルの効果で簡単に敵を排除することができたらしい。
「さすがだね、こいつが有れば当分は何とかなりそうだ…」
「お姉ちゃん、すごーい!」
「あんたら何でこんな所に?」
少女二人は顔を見合わすと、同じように話し出す。
「花を摘みに来たの」二人
よく見ると少女2人は殆ど同じ顔をしている、要するに双子。
話を聞くとこのあたりに咲く毒消し草を取りに来たのだと言う、その花びらをつぶして液体を飲めば毒を消すことができると、母親を診てくれた医者が言っていたのを戸の陰に隠れて聞いていたらしい。
「そうなんだ…で?花は見つけたのかい?」
二名揃って首を横に振る。
【クエストが発生しました】
【双子の母を救え:毒消し草の花10束を見つけて持ち帰る】
(な なに?これがクエストってやつ?)
二人の少女はこちらを見てウルウルしている。
「あー分かったよ、どうせクエストってやつなんだから手伝ってやるよ」
「わーい、お姉ちゃんありがとう~」
「それで毒消し草ってやつは何処に生えてんの?」
「え~とね…」
少女に聞いた所、花の咲いている場所は知ってはいるが、正確な場所は結局分からないらしい。
場所はこの台地に生えていると言う事だけ、だがこの台地は1k四方はある岩だらけの台地。
岩陰に咲いていたら見つけるのは一苦労だ、それにロックワームのことも有る。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます