第2話
馬鹿を言っちゃいけない。
今までの罪滅ぼしだって?
冗談も休み休みにしてくれってもんさ。
誰だって生きる為にいろんな仕事をしているだろ?
ただ詐欺師にだけはなりたくなかったのさ。
今まで連中を追いかけた事だってあるよ。
そして、今度は追いかけられる側だって?
ごめん被るよ、この業界には知り合いもいるさ。
中には凄腕の探偵だっている。
そんな連中に詰め寄られるんだ。
冷や汗が出るね。
だからって今の仕事は?ってか?
人のやることに口出しはしないほうがいい。
それが上手く生きるコツってものさ。
ただね、私には直感ってものがあるんだよ。
こいつが結構当たるのさ。
そう、こいつのおかげでね、命拾いしたことは少なくないんだ。
最初は、こいつを利用して商売でも始めようかと思ったこともあるさ。
けどね、最初に言っただろ?
詐欺師まがいな仕事はしたくなかったんだ。
いいかい、直感になんて証拠になるものは何も無いんだよ。
そんな物で商売をするってかい?
そこまで落ちぶれちゃいないさ。
じゃ、何で、次の仕事がこれかって?
言い訳はしないさ。
この仕事の募集広告を見た時に直感が働いたのさ。
誰も慈善事業に興味があるなんて思わないでくれ。
そんな殊勝なものは持ち合わせていないね。
取り敢えず今は
じーさん、ばーさんを相手にしているだけさ。
力仕事ならお手の物さ。
なんなら、年寄りの2、3人は肩に担いでやるさ。
トイレ介助だってなんとも思わないさ。
こちとら汚れ仕事は散々やってきたし、もっと汚い物を見て来たんだからね。
いや、醜いものかな?
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