第7話
「……?どうしたんですか裕樹くん。そこで止まって」
「何か問題でも?」
俺が波打ち際で止まっていると、それを不思議に思った凛と花火様が声をかけてきた。
二人とも、すっごく綺麗である。凛の水着は、よくあるビキニタイプで、本人の明るい性格と、黄色のビキニがとてもよく似合ってると思いまする。
花火様は……なんていうか、『美』その物が視覚の暴力で襲ってくる。普段は伸ばしているその青髪も、今回は髪を結んでポニーテールにすることで、いつもと全然違う魅力が溢れてるし、青色のスカートタイプのビキニ。なんとなく、すごく、えっちだと思います。
いや~~~~心底性欲が殆ど死んでて良かったと思いました。こんなん普通の男だったら無理だよ。
「いや、その……この体って泳げるのかなと思いまして」
「?裕樹くんカナヅチなの?」
「ちゃうわ」
ちゃんと泳げるわ。中学生の時はクロール25m泳ぎ切るのに35秒くらいかかるけど、習ったことないバタフライ以外はちゃんと出来るわ。
ただ、泳ぐスピードが呆れるくらい遅いだけで。
いや、俺の体って現在メイドインアビスなわけで……あいつら、でっかい個体は海を渡ってくるやつとかいるけど、俺ってどうなんかなって言う単純な疑問。
「大丈夫ですよ。溺れたら助けてあげます」
「ついでに人工呼吸してあげます!」
「よーっし!絶対沖には行かないようにするぞー!」
ヌっ、と生えてきた奏多の言葉を全力スルー。ついにこの夏初めての海に足を踏み入れた。
ついでに言うと奏多さん。俺ってあんまり酸素必要としないから人工呼吸意味ないからね。アビスが魔力で無理やり動かしてるだけだから。
しかし………いや……うん、分かってたことだけどさ……。
「あんま温度とか分かんねぇな」
「えー!そうなの!?」
「そもそも、普段からお風呂とか入っても何も温度感じない時点でお察しだったけどね」
実際感じるは感じるけど、マジで「ん?今なんか若干暑かった?」程度。現在の気温も30度超えてるけど、全く汗も出てないし。
マジで、液体の中にいるって感じ。海の感じは全然しない。
「それで、海って何するとこなの?」
「そこから!?」
うん。だって海とか行ったことないし……そもそもインドア派だったから。一応、脳内では、水飛沫を飛ばしながらキャッキャウフフしている光景が浮かんでいるけど……恐らくこのメンツでやったらキャッキャウフフでは絶対にすまない。
改めて、現在この場にいるメンツを紹介しよう!世界最強!学園最強!最強の二つ名『ワルキューレ』の名を欲しいままにする月下花火様!
日本で圧倒的ジャガーノートシェア率を誇る社長令嬢!魔力量世界一位!容姿端麗才色兼備!皇・セシリア・奏多!
学園でも有数な専用ジャガーノート持ち!初対面にて首トンを見事に決め、数学がちょっとどころかかなーり苦手な女の子!柊凛!
『濡鴉』という二つ名を持ち、針の穴を通すようなその射撃能力は、世界を見渡しても五本指に入るほどの超絶技巧のスナイパー!安達胡桃!
バグかな?暑さでダウンしているひづみも、学園ではかなりの強さを誇るし、改めて瑠璃学園の層の厚さに震える。
ほらほら~とかるーい気持ちで飛ばした水飛沫が、一般人からしてみたらとんでもない威力になることは目に見えている。ちょっと怖い。
「……思えば、私もあまり海で遊んだ覚えはないかも」
「普段、私達はアビスを倒すために日頃から腕を磨いていますから、こういうのも仕方ないかもしれませんね」
「じゃあ皆さん!ビーチバレーで遊びませんか?一人審判に回れば、丁度2対2で出来ますし!」
「ふむ」
ルールは何となく分かるぞ。マ〇オ&ソニ〇クのオリンピックゲームでやったからな。
「よし、やるか」
「では、私は審判をしますので、お先にどうぞ」
「ありがとうございます花火様!」
「一応ひづみさんにも声を掛けときますか?」
「わたしぱ~~~す~~」
なんだそのふにゃふにゃの声は。熱にやられすぎだろ。
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いやーさきたま杯は強敵でしたね(🍋一着軸の二着三着決め打ちの三連単ぶち当て)
これだったら2000円くらいぶち込んどくんだった……変なところでチキるんだよね
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