怒り100倍、マルドゥーク

深化ヒロイン

第二部プロローグ

「紹介しよう」


 まだ、日も昇っていない午前三時。瑠璃学園学園長である、長月美冴が居城としている学園長室には、40人ほど近い人物が集まっていた。


 美冴以外の人物は、どれも黒のロングコートに、フードを顔を隠すように目深に被っている。よくよく見れば、誰がどの人物か分かるようになっているのだが、ぶっちゃけ言うとフードまで被っているのは美冴の趣味である。


 曰く、この方が雰囲気がでるかららしい。


「昨日より、我々マルドゥークに新たな仲間が入った」


 彼女達の名前は『マルドゥーク』。美冴が、独断と偏見で選んだ、瑠璃学園のトップ生徒達。


 表には存在が秘匿され、マルドゥークの存在を知っているのも極一部の生徒のみ。


 どの生徒も一芸に秀でており、全員が持ち。


 それは、対人戦を行うことを許された、圧倒的戦闘力を持つ、ヒロインの『非公式ギルド』である。


「小鳥遊裕樹です。花火様の誘いを受け、所属することになります」


「と、言うことだが、早速任務を言う」


 マルドゥークの主な任務は、ヒロインの救出、フェンリル研究支部の破壊、そして


 彼女達は、対人間に対してでも、圧倒的実力を発揮するのだ。


「昨日の夜、とあるエルドラドから救援要請が入った。何でも、二週間前に攫われたヒロインが、フェンリルの野外実験の護衛として来るらしい。どんな実験が知らんが、研究員は全員皆殺しだ」


「「「「「「「「「「御意に」」」」」」」」」」


「人数は十人程度で充分だ。少年を含めて任務を遂行してくれ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る