第11話
「報告」
「はい学園長」
花火のお見合い決闘が終わったその日の夜、学園長室には美冴の姿ともう一人、黒髪の生徒がいた。
「普段より目をつけていた彼女────
「確認する」
少女からボイスレコーダーを受け取った美冴はすぐさま再生ボタンを押した。
「……やはりすごいな渚。どういう原理で無線機の向こうの声まで録音してるんだ?」
「それは電波と周波数を弄ればちょちょちのちょいですよ。学園長」
「つくづく私は、君が瑠璃学園に居て良かったと思うよ……救い出してよかったぁ」
「光栄です。学園長」
ぺこりと頭を下げた渚と呼ばれた少女。
暫くは美冴がボイスレコーダーの内容を聞いていたため、沈黙だったが、聞き終えた瞬間に美冴は思いっきり顔を顰め、机を思いっきり叩いた。
「あのクソ狼共……っ、性懲りも無く私の生徒に手を出しやがって……!」
「学園長、口調が」
「知るかっ!つくづく、あの脳内腐りきったマッドウルフ共には反吐が出る!」
頭を掻き毟り、叫びながら少しでも精神の安定を図る美冴。だがしかし、憎悪の前にはそれも無意味だったようだ。
「久しぶりに頭きた。渚、奴らの研究所は────」
「現在、取得した電波を元に我々後方科が既に取り組んでおります。明後日までには、割れるかと」
「あいわかった。『マルドゥーク』にも出動要請をかけておけ……瑠璃学園に────ひいては、ヒロインに手を出したこと。末代まで後悔させてやるからなフェンリルゥ……っ!」
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これにて第二章は終わりです。いい感じに伏線とか張り巡らせることが出来てるかなぁと思います。バレバレとか言ったらだーめだめよ。
第3章『フェンリルとかいうゴミの掃き溜め企業』は恐らく今日の午後のどっかで更新します。恐らく夕方5時~夜10時くらいの間。
続きが気になる!続きが気になって夜しか眠れねぇ!という人はぜひぜひ、フォローや応援やコメント。よろしければ星評価の方もよろしくお願いします。
ちなみに、裕樹くんが謎にモテる理由は恐らくまだまだ先になります。辛抱強く付き合ってください。
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