第6話 会場にて

僕は注射を受けに行くことになった。(すごい人数だ。)それもそのはず、世界中の人が注射を受けに集まっているのだ。


やっと順番が回ってきた。10人単位で室内に入ると

「ようこそ、いらっしゃいました。」

そこには職員の女性が居た。


「私が説明をします、赤羽百合子あかばねゆりこです。よろしくお願いします。はい、じゃ、早速ですが、注射の説明ですね。

これは異世界?あいや、七神の泉の住民の皆さんの協力を元に作った特殊な薬品を使用します。」


「危険はないの?」

30代位のスーツを着たサラリーマン風の男の人がそう言う。


「はい、問題ありません。今現在問題発生件数はゼロです。私もこと通り無事でした」

と彼女は右手から火を出す。


「注射をすると、以下の能力を手にすることができます。火、水、木、雷、土、風、光、闇これはゲーム風に言うと属性です。また、体力、走力なども飛躍的にアップするなど沢山の恩恵を受けることができます。また、皆さんにはこの装置を差し上げます。名前はグレファス、当社開発の製品です。」

その装置は腕時計のような形をしていた。

「グレファスを使用すると属性、ステータスなど皆さんの情報、訓練時間、活躍ランキングの他、向こうの世界で判明した情報などが随時配信されます。皆さんの旅のお供ととして活用ください。ランキングに関しましてはこの近くにある電光掲示板にも載っています。あとの詳しいことはこの説明用紙を見てください。」


僕たちは用紙を眺める。

(まるで、ゲームのような感じだな)


「それでは、注意事項を読んで了承を頂けた方は必要事項を書いてください。」


(了承と)


では、注射を開始します。

チク

打ち終わったが特にこれといった異変はない。

「それではこれで完了です。あと、大事なことをいい忘れていました。これは突然変異とも言うべきことなのですが、この水晶玉を飲み欲しい能力をする唱えると自分オリジナルの能力を一つ手に入れることができます。コチラは後でよく考えて使用してください。この水晶玉はブルーノブルーという種族が成人の際に水晶玉を使い能力を得るという儀式を行っており、それをモチーフに作られたものです。」

最後に一番すごいのがきたな!


帰るか 早かった・・・それもそうか人数も多いし。


外にでようしたらウィーーーーーンと何か音がした。

「あれはなに?」

サラリーマンが聞くと

受付の人は

「ゲートから誰か帰って来たんです。」

と言っていた。


僕は、電車を乗り継いで家に帰る。しかし、その帰り道後ろから気配を感じた。身につけているグレファスも警報が鳴る。


「危ない!」

そう声が聞こえたが気づくと空を飛んでいる。

「 えーーウァ!」

横を見ると、鳥?が僕の体を足で掴んでいる。しかし、大きい、翼開長は10メートルを超えている。鳥というより、これは博物館等で化石とかでしか見れない翼竜といった方が適切かもしれない。それに色が漆黒でこの世界の生き物とは思えない。僕は、猛スピードで連れ去られる。

何処に連れて行かれるんだとそう思った矢先、先程と同じ声色が聞こえる。


「我が生より紡ぐ、聖剣よ!私の声に答えよ、エクロマスター!」

その声のコンマ数秒後、光が怪鳥を貫いた。そして、気づくと僕は、男の人にお姫様抱っこされていた。


「大丈夫かい!私は総谷塚赤式そうやずかあかしき戦闘名は通称アナザーゴートン、君は?」

彼は高く澄んだ声で僕に話しかけた。金髪で背は180後半、年齢は20代くらいか、目はまるで空を写し取ったような綺麗な青色で、如何にも王子様のような顔である。


「あ、僕は遠山 伊織音です。赤岡町中学校に通って居ます。14歳です。趣味は日記を書くことです。」

何故だろう話すつもりはなかったのに彼を眼の前にしたとたん何でも話してしまう。


「おお、伊織音君か、なんで今日注射を受けに来たんだい。」


話してもないのに注射を受けたことを彼は言い当てた。

「僕は・・・」


「そうか・・・大変だね」

そう言うと彼は僕と目線を合わせて言った。「大丈夫、僕が守ってあげる・・・そうだ、これも何かのの縁だ、どうだいこれから一書に神田公園に行かないか?色々と教えたいこともあるし」

そう彼がいう。

「えーと」

僕が知らない人だしと答えを渋っていたが、

彼が笑顔で

「じゃあ行こうか、君は行きたい顔をしている!」

またしても、見透かされた。

「ゲート、インペルゲート」

彼がそう言うと鼓動の如く振動がしてくる。ど、ど、ど、ど

僕の体も揺れる。

「しっかり、捕まってて、いくよ!」

その途端、現実かどうかも分からない場所を猛スピードで通る。

「うわーーーーーー」

ジェットコースターに乗ったみたいだ。

どっ、

「ついたよ。」

(うそ、本当に神田公園に着いた。電車で20分もかかるのに。)


「 あーの・・・」

「私のことはゴートンと読んでくれていいいよ。」

「ゴートンさんなぜここに」

「修業さ、少しでも力を付けて置くとさっきみたいな魔物が現れた時も対処できるからね!」

「魔物ですか。」

「そう、ゲートの潜った先はとても危険何だ!魔王の手下がわんさか居るからね。」

「そうですか・・・」

その言葉に一気に恐怖心が湧く。あの魔物を見たあとだ無理もない。

「まぁ、見てて、注射を打ったことで僕たちは能力を使える土台を得ることができた。でも、それだけじゃ、能力は使えない属性には火、水、木、雷、土、風、光、闇があって、その一つは一つは出し方が違う、火は熱き心を込めて、水は滝などを想像して、木は草原を想像するなど、とにかく想像することが大切なんだ。」

彼はそう言いながら目を閉じ、足をぴったりとくっつけ、綺麗な姿勢を保ったまま手を上に上げる。すると、彼の周りに玉が周り始める。色は赤、青、緑、黄、茶、黒、金とカラフルで、次第にスピードが上がり輝き見せ始める。その光景はまるで彼こそが人類史になお残す、偉人であるかのようである。彼が目を開けたかと思うと、その玉は彼の元を離れ、公園に付随する湖に近づく。まるで台風だ。湖がその回転で渦を巻く。彼が上げた手を重ねると、たちまちエネルギーが中心に収束し、手下ろすと同時にに物凄い爆発を起こした。

「こんなふうにね!」

凄すぎる、できるわけがない、恐らく彼は天才の中の天才だろう。僕がそう思うと、

「伊織音君にもできるよ。」

急に真剣な顔つきになりそういう。能力とは想像力が鍵を握っている。そして、その想像力を再現可能な形に持っていったのが一流の能力者なんだ。だから、君はできる。なぜなら、君の想像力は僕を超えているからね!」

何でそんなことが分かるのだろう。でも嬉しかった。

「伊織音君もやってみて」

僕は、想像するが中々上手く行かない・・・

「何かこれまで妄想したことはない、それを想像するんだ」

確かにあるそこまで見透かれているのか?と不安になるが僕は、想像を再びする。今度は目を閉じてやってみた。

これまで想像した中で最強、そう思い力を入れると、何かが体の中から出る感じがした。

「伊織音君、一旦やめるんだ!」

その言葉に反応し、目を開けると大魔神のようなものが権限しようとしていた。しっかりとした形は無く砂が集まったような感じのものだった。咄嗟に想像を止めるとそれは消え去った。

「すごいな、今止めていなかった。ここら一帯吹き飛ばしていたんじゃないか、もし、そうなったら沢山死者が出て、指名手配されたあげく僕に殺されてたね。」

怖いよ。僕は、少し泣いた。

「可愛い」

そう彼が言う。畜生な面も彼はあるのかだろうか。

「 でも、これなら大丈夫そうだ。魔族以外が出ても。」

「魔族以外?」

「 実はね、ゲートの向こうには魔族だけじゃないかもしれないんだ。僕たちは非公式に活動をゲートの中でしているんだけど、魔族が居るのは七神の泉跡地に集中しているんだけど、実は七神の泉の住民も知らない者も中には居るんだ。そして、その実態などは詳しく分かっていないんだ。多分僕の見立てだと彼らは泉消失に関わっていると踏んでいる。」

僕は一気不安になる。

それを察してか彼は優しく言う。

「君なら大丈夫だよ。保証する。よし、また特訓だ。」

そして、その後2時間程訓練に付き合ってもらった。強すぎる。もうクタクタだ。

「じゃあ、僕は、行かないと。勿論君を送り届けてからね。」

また、あれか。


僕は、家についた。

「また会おう!」

「あなたは一体」

そう僕が言うことを予期していたかのように彼は答える。アナザーゴートンこの世界を守るものだ。

そう言うと彼が颯爽と姿を消す。


僕は夜にそのことを日記に付けながら今日あったことを振り返った。すごい体験だったなぁ、

僕が日記を付け終え就寝をし始めた時だ、何かが僕の部屋で動いている音がする。

僕が電気を付ける。それと同時に僕の恐怖心がピークを迎える。衝撃的すぎる姿だ。四足でその生き物は歩いてる。全長は1メートル位、目はとても大きく、体は黒いく、顎は発達している。いきなりの出来事で僕は戸惑う。グレファスが鳴っていないから恐らく未確認生物だ。僕は虫が家に居るのも強がるような人間だ、その際は葛藤しながらできるだけ傷つけない様に袋に入れ家の外に返してやるがこの生き物にはそうはできそうにない。その生き物は僕に次第に近づいてくる。そして、机に追いやられてしまう。

「いーー」

僕は無理だと思った。

そして、本当に無理だった。僕を掴むや否や瞬く間に窓を飛び出した。

「ひっ」

凄い腕力をしている。僕だって40kgはあるのに、そして、僕を引っ張りながら街中を颯爽と駆け抜ける。途中人と、すれ違うが誰も声をかけないほど早く。

余りの衝撃に次第に意識が遠のいた。







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