第2話 日常から非日常へ

現在

2050年6月3日 12:40

そんなこともあったなと10年前のことを思い出す。伊織音が今、こう昔のことを思い出していたのには訳がある。彼にとってそれはとても奇妙なことだった。いや、彼にとってだけではない人類にとってもだ。


2050年 6月2日 21:00 それが起こる前夜。


僕は日記に書き留めるのが日々の日課だ。13歳の誕生日をこの間迎えた僕遠山 伊織音とおやまいりおは時々記憶がポッカリと抜けることがある、こんなにもつらいのに、、、


何が辛いって、それは、、、


まぁなんだあれだ、、、そう両親には嫌われ、学校ではイジメを・・・そう日記を見ながら記憶を取り戻す。


「あれぇ おかしいな」

 この間能力を使った代償か、

僕は定期的に中二病的な発言をする。妄想グセが強いのだ。 


やなことがあったときにはよく

「良かった僕が糞な人間で、、」


そう自己を否定することもよくある。

そんな時は決まって泣きながらノートに殴り書きをする。


毎日が不安でしょうがない、手を噛む癖もできてしまった。人との関わりもできるだけ避けたいそう思う程に。僕だって頑張ってるのに。


そう僕には目指したいことがある。と言っても些細なものだ。


僕は、とにかく優しい人になりたい・・・

それだけでいいんだ。でも、周りが怖くてそれすら出来ない。



この世界は希望に満ちている。誰しもが選ぶ権利を与えられている。

いいよね、妄想するぐらい、僕の唯一の至福の時なんだ。


今日は自分に制約を課してみた。カッコいいからという理由もあるが自身の戒めを込めて日記に書き留める。

よし、これだ!

そのノートには他者危害禁止原則と書いてある。そいつが今日僕がノートに記し、己に課した制約だ。


こんな風に僕は、毎日想像している。時々、こんな風に日記を書いている自分の惨めさに腹がたち涙が止まらないこともよくあるのだが・・・


よし、学校に行く準備でもするか、切り替えないと


学校は何が何でも行ききってやる。

「モードチェンジ ハァハァハァハァファーイヤ~」


と僕は、小声で言う。 明日は体育と算数とと・・・


よし、明日は頑張るぞ、早く寝よっと。僕はうつ伏せで布団を頭まで被った。


「グス、グス・・・」


翌朝 怒鳴り声が聞こえる。 「お前 また忘れたのか、家事はオマエの仕事だと何度も言ってるだろ」そういうのは僕の父 


片山 雄一郎かたやま ゆういちろう。 名字が違うって そう僕の父遠山 隆とおやまたかし、母 遠山  和美とおやま かずみは僕が幼いこと亡くなり引き取られたんだ。


「ごめんなさい 今やります。」 


「もういい さっさと学校にいけ、顔も見たくない。」

そう言われ僕は泣きそうな顔を堪え、身支度もままならないまま家を後にする。


8:00分


僕は30分前に教室着いた。だが、僕の席が無くなっていた。


すると

「ハァ~疲れた」


そういうのは高橋 紀伊たかはし きいクラスのリーダー的な存在の美少女である。 


「皆何書いた今日、発表じゃん」


ピック、それを聞き僕は身震いがしてきた そっか、今日は前々回書いた将来の夢の発表日か、 


 「えぇとね、秘密そういうのはお楽しみなんだよ」

松山 清見まつやま きよみがそう言う。 


ヤヴァイ なんて書いたっけ 確か机に入れていたはず、僕は焦りながら教室を見渡すが無い、僕は焦って教室を飛び出そうとすると手を振り払われた


「おい、どこ行くんだよ」

振り向くとそこには|嵐山 尊(あらしやまたかし)がそこに居た。


「机が・・・」


僕がそう言うと彼と彼と一緒に居る神富常時かみとみじょうじ赤屍蔵人あかばねくらとは笑っていた。


「宿題やってくれるて、金曜言ったよな?」


あ、そう言えば無理矢理渡されたんだった


「忘れちゃった」


僕がそう言うと

「ハァ~、お前に渡したんだぞどうしてくれんだ!」

「また、忘れたのかよ 役に立てないな!」


と詰められる


「ウ~ン、ごめん、間違えて持って帰っちゃったっていうよ」


僕は、涙を堪えて言うとそこに松山 清見が割って入った。


「ちょ、またイジメてるの?恥ずかしくないの」


意外な人物の参戦にクラスの皆も一気に注目が向く。


「だってよやりたいていうからさ」


「そんなこと言うわけないじゃない」


松山さんの迫力に押されたのか

「チェ、机は1組の廊下だよ」


といい引き上げていた。


僕は、机を席に戻し、机の中を覗きプリントを探す。あったぁー えーと 何だこれは 中二病炸裂じゃないか。そっかこの前熱で休んだから試し書きのままだった。どうしよ、ただでさえ嫌われてるのにこんなの言ったらゲームオーバーじゃないか。


そう考えて居ると僕を後ろから突かれる

後ろを振り向くと 


「リア充」

と言われた。彼は僕の幼なじみの山ノ下権助やまのした ごんすけ通称ゴンちゃんである。と言っても余りゴンちゃんとは話したことはない。


「僕」

そう自分のことを指差すと彼は頷き、


「羨ましかった」

そう彼に言われた。


僕は戸惑う。ちょっとしたパニックである。しばらく僕は、クラスの子と会話して来なかったから話しかけて貰えるのは嬉しかったけど、返す言葉が浮かばない彼は僕を瞬き一つせず見てくる。どうしよう。


ゴンちゃんと僕はしばらく目を見つめ合っていた。


そうこうしているうちにチャイムが鳴る。


キーンコーン カーンコーン キーンコーンカーンコーン


予令がなり終わると共に日直の

川田 俊基かわた としもとが大き声で挨拶をする。起立 ふぅ助かったと僕は席を立つ 気を付け 礼 


「よし、今日は前回説明した通り名前順に発表してもらうぞ」


床股 前司とこまた ぜんじ先生がそう言うと 早速始まった。

私の夢は... どうしよ 始まっちゃった準備出来なかった。順番を待ち冷や汗を書いていると、


「僕の夢は、ありません。」


う、なぜだかそんなことを口走る者がいた。彼の名前は八田神やたがみグレイライト。なぜカタカナなのか僕には分からないが、何でも彼に触れると何処かしらに痛みが出るとかないとかで噂になっている。そうこう考えていると、瞬く間に僕の番になった、どうしよ、どうしよ、


僕が少し立ったまま黙っていると笑い声が聞こえてきた。


え~い、どうにでもなれ


僕は、拙い言葉で話を始めた


「えーと 僕は なりたい僕になりたいなんだそれは、、優しい人、に・・・」


 「ふふ・・・」


隣の席の松山 清見の笑い声が聞こえたと思ったその時、緊急速報が流れる。


「誰ですか、学校に携帯を持ち込んでいるのは?」


先生が啖呵を切る。先生大変です。携帯を持ち込んだ彼、銀上実路ぎんじょうさねじが得意げに言う。「先生テレビを付けてください。」


「う、何が?」


渋々、先生がTVを付けると

覆面マスクの人が演説をする映像が流れていた。どのチャンネルも同じである。


2050年6月3日 このときから、全てが一変するとなるとはこの時の僕は想像もしていなかった。

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