第21話

  未知の生物と未知の結晶体についての実験、検証及び考察

 著 ハルザム・マッカートニー 大陸中央学術院総合自然学科ウェンダム・エルブズ研究室



  要旨


 本研究は、大陸自然学、大陸生物学、大陸魔法学、大陸魔物学に基づき、未知の結晶体の成分、構造、性質について明らかにすることを目的とする。実験1では、複数の既存の物質をサンプルとして、未知の結晶体との比較、検証を行い、実験2では、実験1で得られた結果から、近似した成分を含む生物、魔物との比較、検証を行った。結果、未知の結晶体の主成分は鉄であり、約80%を占めること、約15%が未知の生物の持つ魔物特有の成分であること、未知の生物の成分と魔力が未知の働きをすることで、通常の鉄には見られない性質を生み出していること、未知の生物は、既存の大陸生物学、大陸魔物学のいずれにも当てはまらない、未発見の魔物であること、エンシェントドラゴンの近縁種である可能性があること、実験3では、未知の生物の成分は、金属に通常以上に高い剛性を付与できることが、実験4では、未知の結晶体に残留する魔力の濃度が、通常の魔法石や、魔物に比べても高いことが分かった。


※以降、未知の生物をクリスタルドラゴンと呼称。



  目次


 1序論……………2p


 2方法……………5p


 3結果……………6p


 4考察……………8p



  1序論


(中略)



  2方法


  実験1

 未知の結晶体について、既存の物質をサンプルとして比較、検証する。


  実験1に使用する物質

・未知の結晶体

・鉄

・銀

・金

・銅

・オルクスタムの原木

・アクナクタシアの原木

・石英

・魔法石

・牛の骨粉

・豚の骨粉

・岩トカゲの骨粉


  実験2

 実験1から得られた結果から、近似した成分を含む生物、魔物をサンプルとして比較、検証する。


  実験2に使用する生物及び魔物もしくはその一部

・牛

・豚

・岩トカゲ

・アミアント

・ワイバーン

・エンシェントドラゴンの鱗

(中略)


  実験3

 未知の結晶体から、クリスタルドラゴンの成分を抽出し、いくつかの物質と化合もしくは混合させて、観察、検証する。


  実験3で化合させる物質

・鉄

・金

・銀

・銅

・オルクスタムの原木

・アクナクタシアの原木

・魔法石

(中略)


  実験4

 未知の結晶体の残留魔力濃度を、魔法石や魔物と比較する


  実験4で使用するサンプル

・魔法石

・岩トカゲ

・鉄

(中略)



  3結果


  実験1

(中略)

 以上のことから、未知の結晶体は鉄81%、クリスタルドラゴンの成分15%、金1%、銀1%、銅1%、その他計測不可能な鉱物1%で構成されていることが分かった。


  実験2

(中略)

 以上のことから、クリスタルドラゴンは、エンシェントドラゴンの構成成分と一部一致していることが分かった。また、クリスタルドラゴンは魔物であることが確定した。


  実験3

(中略)

 以上のことから、クリスタルドラゴンの持つ成分には、金属の剛性を通常以上に高める効果があることが分かった。


 実験4

(中略)

 以上のことから、未知の結晶体は、魔法石や魔物に比べて約3倍の魔力を含有していることが分かった。



  4考察


  1未知の結晶体について

 実験1及び実験3を踏まえて、未知の結晶体は、クリスタルドラゴンの成分によって変質した鉄であると考えられる。

 また、実験4を踏まえて、高濃度の魔力を含有していることから、クリスタルドラゴンの身体の一部であると考えられる。

(中略)


  2未知の生物(クリスタルドラゴン)について

 実験2を踏まえて、クリスタルドラゴンは、エンシェントドラゴンと近縁の関係を持つ魔物である可能性があると考えられる。

(中略)



 

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