死を司る天使の話

癒して。殺して。癒して。殺して。

機械のように決められた動作をこなす、与えられた命令だけを淡々と処理する『死を司る天使』として生きていたあの頃の私。

嫌だったわけじゃないのよ?ただ少し、いえ、かなり退屈だっただけ。だって、そうじゃない?

他人の魂を回収して、穢れないように管理するだなんて。主は何を考えているのか全く理解出来なかったわ。私がこんなだから、天界から追放されちゃったのね。でも、後悔はしてないわ。あんな、規律や信仰に盲目になってる奴らとなんて一緒にいたくないしね。


私が周りからあまり良く思われていなかったのはこの『魔眼』のせいもあるのかも。相手の身動きを取れなくしたり、相手を死に至らしめたりとか、かなり物騒な能力だし?同族からも忌み嫌われるなんて、私の人生ってかなり最低?


後はそうね、『鍵』による空間の転移が私の能力なんだけど、これは本当に便利なの。今いる場所と別の場所を繋げて移動手段にしたり、物の運搬をしたりとかね。でも1番持ってて良かったって思うのは、




「何も存在しない異次元に、覗き見する侵入者を閉じ込めたり出来ること。今これを読んでいる、貴方とか。」






-サリエル-

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