第11話 痛恨の忘れ物
マリちゃんのパンツ、入れたっけ?シンちゃんのパンツとケントさんのパンツはバッグに入れた覚えがあります。ユリナさんのもありますけど、マリちゃんの・・・
マリちゃんの、忘れたかも・・・
や、やばい、どうしよう・・・
「マリちゃん、マリちゃんのパンツ忘れちゃったかも・・・💦」
ユリナさんは覚悟を決めて口を割りました。
「え~・・・?おかあさんのと一緒になってない?」
マリちゃんに聞き返されましたが、ユリナさんはすぐに返事ができませんでした。
(ううん・・・何度も見たもん・・・自分のパンツはあるけど、マリちゃんのパンツがないよ~!!どうしよう・・・)
「ごめんね・・・💦」
謝るのがきらいなユリナさんですが、この時ばかりは普通に謝りました。謝るしかない状況ですよね?
マリちゃんも自分でバッグの中をチェックしています。でもやっぱりマリちゃんのパンツはないのです!
「ごめんね・・・・・・・・💦ごめんね・・・・・・💦💦💦」
ユリナさんは何度も謝りました。マリちゃんも、何度も謝ったユリナさんを責めることはしませんでした。
この後、マリちゃんの選択肢は2つです。お風呂の後、その日履いてきたパンツをまた履くか、パンツなしにするのか。
マリちゃんはその日履いていたパンツは洗濯ものの袋へ入れました。そうですね、どちらかと言えばそうするかな、とユリナさんも思いました。
お風呂上がり、ノーパンになってしまいますが、マリちゃんはスカートではないのでバレることはないでしょう。
それにしても、なんて可哀そうなマリちゃん!この時ばかりはユリナさんも、自分を責めずにはいられませんでした。
こんなことなら、シンちゃんやケントさんのボディータオルだの、タオルだの、バスタオルすら忘れても構わなかったのに!そんなのマリちゃんのパンツに比べれば重要度はうんと低いでしょうよ!それよりか、彼らのパンツは忘れても、マリちゃんのパンツは忘れるべきではなかったのに・・・!!
シンちゃんやケントさんは、下手すると同じパンツでもOK!みたいな輩ですからね。ケントさんなんて旅行などでホテルの大浴場へ行くときも、「下着と着替えと、ここにあるから持って行ってね。」と声をかけても「いい。(要らない、の意)」とか言う男子なのです。コラ~~!!パンツ替えんかーい!!とユリナさんはいつもキレているのです。
ですから、忘れたのがケントさんのパンツであったならば、(メンタル的に)ここまでのダメージではなかったのでしょうが・・・
やりきれない気持ちではありましたが、ユリナさんとマリちゃんは温泉へ行きました。
せめてお風呂の間は、パンツのことは忘れていよう・・・
悲壮な思いを抱きつつ、女湯へと赴きました。(つづく)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます