第8話 招かれざるもの
最近のシンちゃん、お帰りが早い模様です。残業規制とやらで、定時で仕事を終えて帰ってこられるのです。
シンちゃんが早く帰るのはユリナさんも嬉しいんですよね♬
「ただいま~」
夕方の6時半頃、シンちゃんが帰りました。ユリナさん、お料理の手を止めてシンちゃんをお出迎えに行きます。
「おかえり~♬」
ユリナさんはシンちゃんにチュッ♡としました。さらにシンちゃんに腕をまわしてぎゅっとします。大サービスです。
もう1回、ぎゅっ・・・さらに力を込めて、ぎゅう~~~、めりめり・・・
「うぅぅ・・・」
シンちゃんは苦し気なうめき声を・・・そんな茶番を日々繰り返すご夫婦です。
「シンちゃん、先にお風呂に入る?」
お料理に戻りつつ、ユリナさんはシンちゃんに尋ねました。
「いいの?」
シンちゃんが聞き返しました。日によって、ユリナさんが先に入る時もありますよ。
「まだ料理が途中だから・・・」
本当はユリナさんも先にお風呂に入りたいのですが。というのは最後に入った人はお風呂掃除もしなくてはなりません。お子さんたちもいますけど、お子さんはまだお風呂掃除をしないので、いつもシンちゃんかユリナさんが最後にお風呂に入ります。お仕事が遅い頃はシンちゃんが最後になりがちでした。
そう話していると、リビングの方がなにやら騒がしくなりました。お子さん達、ケントさんとマリちゃんがワーワー言っています。
キッチンにいたユリナさん、何があったのかとリビングへ向かいました。
「それをかぶせて!」
シンちゃんも早口で言いました。ケントさんがレゴブロックの箱のふたを床に置きました。その前に、一瞬何か見えましたよ。茶色っぽいのが・・・
「む、虫・・・?なんか大きく見えたけど・・・」
ま、まさかゴキブリ・・・?でも、北海道だからゴキブリはいないですよね??
「あれは、ゲジゲジじゃないかな・・・」
シンちゃんが答えました。それはヤバそうなやつですよね。名前からしてもうダメです。
テレビの前の、よく通りかかるスペースの床にレゴブロックの箱のふたが置かれています。うっかり片付けてしまいそうですけど、でも中にいるゲジゲジをどうにかしないと・・・
「これはどうするの?」
マリちゃんが大事なことを尋ねました。(つづく)
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