第3話 あやまりたくないユリナさん

「サガワの不在連絡票なんて来てたっけ?旅行中に届けに来てたっぽいけど。」


シンちゃんに尋ねられ、ユリナさんは心当たりがありました。


「ああ~、見たかも・・・シンちゃんのところに置いておかなかったっけ?」


旅行から戻った日、ユリナさんは何枚かの不在票を見ました。それほど前の日付ではなかったので、また届けてくれるかなと思ったものでした。


さらに数日後・・・


「不在票が見あたらないよね。サガワに連絡したけど、何回か不在票入れてるって言われてさ。でもないよね・・・」


ん~~??サガワの不在票は、前に何枚か見たけど・・・


それからどうしたんだっけ?何枚か来てたから、再配達の依頼をしなくてもまた届けてくれるんだな~と思って・・・


その後、シンちゃんのいない時に何個か荷物を受け取って・・・ヤマトさんからもいくつか来たけど、その中には確かサガワの荷物もあったような・・・


不在票の分はもう届いたと思ったユリナさん、サガワの不在票はもう必要ないと思ったんですよね。


「もしかしたら、捨てちゃったかも・・・?」


「え~、再配達依頼してからならともかく、しないで捨てちゃダメだよ。」


シンちゃんはおかんむりです。そりゃそうですけど。


「・・・・・」


ユリナさん、返事をしませんでした。気まずく思いながら、お風呂に入ることにしました。


でもユリナさん、ほんとに捨てちゃったりしたのでしょうか?お風呂に入りながら、一生懸命記憶をたどりました。


だってだって、もう荷物は届いたと思ったし。不在票も見た覚えはあるけど、その後シンちゃんに渡してなかったかな?シンちゃんの荷物なんだから、私は再配達依頼なんてしないでしょうよ・・・


ユリナさんは心の中でこぼしました。


でもシンちゃんは不在票を見ていないのよね。私は見た記憶があるし・・・やっぱり勘違いして、捨てちゃったかなぁ・・・謝らなくちゃいけないとこかしら・・・


でも謝るの、イヤだなぁ~・・・シンちゃん怒ってるかなぁ、困ってるのかなぁ・・・再配達されずに戻ってしまった荷物ってどうなるんだろう?何を頼んでいたんだろう??高額なものだったらどうしよう・・・??


お風呂に入りながらユリナさんはあれこれモヤモヤとしていました。


ほんとに謝りたくないけど、たぶん私が悪かったんだろうなぁ~・・・とりあえず、心の中で謝っとこ・・・シンちゃん、ごめんね・・・


ごめんね~!!


などと、心の中では大きな声で謝ってみるユリナさんでした。(つづく)

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