第2話 その月曜日
シンちゃんがお休みの月曜日、彼はふだんより少しお寝坊でしたが、やがて起きるとお皿洗いをしてくれました。
シンちゃん、お休みの朝から家事もしてくれて、よくできた旦那さんだこと・・・!
ユリナさんはほくそ笑みました。彼女はソファーでお茶を飲んでいます。旦那さんをこき使って楽をしているわけではありませんよね?朝、目を覚ますのにソファーでお茶を1~2杯飲むのが彼女の日々の習慣です。
シンちゃんは朝食も自分で用意して食べます。ふだんはグラノーラが多いのですが、この日は前日の残りのおでんを食べていました。ユリナさんはしまったと思いました。
あっ、朝ごはん食べちゃってる・・・あとで、クロワッサンモーニングへ行こうと思っているのに。でもシンちゃんはクロワッサン好きだから、おでんの後でも食べるかなぁ。
結局、モーニングへ行こうと言いそびれていたユリナさん。だって朝からあんなことやこんなことをするかもしれないですものね。
ああ、シンちゃんはおでんを食べてしまったなぁ・・・でも、この後のためにエネルギー補給しなくちゃいけないのよね。
ユリナさんはそわそわしました。
そう、今日はお休みだし・・・あれっ?
ユリナさんは意外に思いました。シンちゃんはもう、お布団を畳んでしまっています。
ん?朝からあんなことやこんなことを・・・と思ったのにお布団は?ああ、だったらベッドの部屋かしら・・・?
このご夫婦、シンちゃんはお布団で寝ますが、ユリナさんは別のお部屋のベッドで寝ています。一緒のお布団とか、せまいですからね。もっと昔は一緒に寝ていましたが、あれこれあってやめました。
ユリナさんはシンちゃんににじり寄って抱きつきました。
「今日はお休みなのね・・・?」
ユリナさんの視線はお布団の方へ・・・畳んでますけど。
「うん。でもゆりなは出かけるんでしょ?」
シンちゃんの返事にユリナさんはがっかりしました。
ああ、私が何時に出るとか、シンちゃんは知らなかったもんね・・・きっと、朝からアレコレする時間もないと思っていたのかしら?だからお布団もたたんでしまったのか知らん・・・
シンちゃんはきっと、私とムフフなことをしようとは思っていなかったのね?(のね~?のね~・・・?)
ユリナさんは悲しみのあまり、頭の中でリフレイン演出をしないではいられませんでした。
「11時半頃行けばよいから、パンダコーヒーさんで、クロワッサンモーニングぐらいは行けるけど・・・」
クロワッサンモーニングのカフェ、パンダコーヒーさんはおうちの近所でした。ムフフなことは残念でしたが、せめてカフェでモーニング☆デートしたいのよね、ユリナさん?
「もう朝ごはん食べちゃったよ。」
シンちゃんはにべもなく言いました。ユリナさんはまたがっかりしました。
おでんを食べてもクロワッサンなら食べられるんじゃ?でもやっぱり前の日からちゃんと言っておけば良かったなぁ・・・お休みだから、シンちゃんもおうちでゆっくりしたいのかな?
仕方なく、ユリナさんもおでんを少し食べました。その後は掃除機をかけ、洗濯をして、お出かけの準備をしました。シンちゃんは録画したアニメを観ていました。彼にとってはリフレッシュの時間なのかもしれません。ドンマイ、ユリナさん!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます