☆ユリナさんなのでしょうがない

神原 遊

第1話 デートがしたいユリナさん

次の月曜日、シンちゃんはお休みを取っているんですって。どうしていつも直前になって言うのかしら?


いつもながら、ユリナさんはモヤモヤしています。


私だってその日は仕事がない日だったのに。でもついこの間、友達と会う約束しちゃったし・・・もっと早めに言ってくれたら空けておいて、デートのひとつもできたでしょうに。


友達との約束をずらそうかと頭をよぎりつつ、ユリナさんは思いとどまりました。


彼女と会うのはほぼ2年ぶり・・・しかも、彼女の事情を思えば大切な日のはず。私がシンちゃんとデートしたいから変更するのもなぁ・・・


久しぶりに旧友と会える機会だというのに、ユリナさんは気もそぞろです。


だいたいシンちゃんはいつも、私の予定も確認せずに、急にこの日は休みだって言うのよね。私が空いているのかどうか、彼には関係ないのかしら?私はいつも、シンちゃんとデートしたいのに、シンちゃんはそうじゃないの?


これはユリナさんの日頃からの不満でした。シンちゃんは事前に予定を知らせるでもなく、何らかのお誘いもなく、急に休みを取る人でした。


・・・うん、どう考えてもシンちゃんにはどっちでもいいのでしょうね?シンちゃんからデートに誘われることってないし。シンちゃんの休日、私に予定があって、彼には用事も予定もなく、録画した番組を観たりユーチューブを観たり、パッとしない休日を過ごすはめになったとしても、彼はかまわないのでしょうね?


ユリナさん、少しおかんむりのご様子。シンちゃんにとっては録画番組やユーチューブを観る休日も有意義かもしれませんけど。


「私はその日、ミホちゃんに会うんだけど・・・」


ユリナさんはぼそっとシンちゃんに告げました。


「うん。」


シンちゃんは何事でもないかのように答えました。彼がお休みを取ると聞いてもたいていユリナさんには仕事や予定が入っています。ユリナさんはそれを残念だと思います。ですが彼女は気を取り直しました。


その日出かけるのは11時半近くだから、朝のカフェにモーニングへ行くのはどうかしら。そうしたらカフェでデートできるよね。シンちゃんはクロワッサンが大好きだから、新しくオープンしたクロワッサンモーニングのカフェへ行くのは喜んでくれるかも?私はもう7回も行ってるけど・・・


じゃあ、その月曜日はカフェでクロワッサンモーニング☆デートということで、いいかも♬


考えがまとまり、シンちゃんに計画を伝えようと思いました。ですがユリナさんは躊躇しました。


あっ!そういえばお休みということは、朝からあんなことやこんなことや、ムフフなこともするかしら?そうね、その可能性は大いにあるわよね。この前も、シンちゃんときたら・・・♡


ユリナさんはニヤニヤしました。どんな妄想をしているのでしょうね?


だとしたら、モーニングどころではなくなってしまうかも・・・?


ユリナさんはまた気もそぞろになりました。(つづく)

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