第八章 火縁魔
燃えるような赤髪の女だった。
その人物が陽向の知る稲月弥樹なのだとしたら、セリナの両親、ひいては陽向の親と同年代かそう遠くない年齢であるはずだ。それにしては、若い。二十代前半と言われても納得できる容姿をしている。
本能的な警告が全身の筋肉を硬直させる。知らず、意識を失った細い肩を抱き寄せた。
「あら」
しなやかな痩躯を撓らせて、女が凄絶に嗤う。貼り付けた表情は笑顔だが、獲物を追い詰めた獣の嘲笑に他ならない。
「祐樹さん……じゃないわね。なあに?まさか違う男と?」
素足が参道を踏んでぺたぺたと緊張感のない音を鳴らす。何のことかと問いかけようとした陽向の疑問は彼女の指先に渦巻いた妖気の奔流で消し飛んだ。
「っ!」
呪言を口にする暇すらない。流出した炎を突貫で組み立てた結界で反射的に防御する。結界越しでも伝わる灼熱に、穴だらけの術式が悲鳴を上げている。
「ぴっ!」
いつの間に飛翔したのか、上空から水が降り注いだ。諸共に水流を浴びることになったが、結界を圧迫していた力が消えた。
「子龍、ナイス!」
「ぴ」
降りてきた子龍が勇ましく鳴いて反り返った。人間で言うなら胸を張っているのだろう。
「邪魔者がいっぱい。あんた、その女の何。祐樹さんはどこに行ったのよ」
揺らいだ上半身は陽炎のようで、見据える瞳は憎悪に燃えている。状況は全く飲み込めていないが、最悪であることは確かだ。
身体能力的に意識のないセリナを抱え上げること自体はたぶん不可能ではない。だが、その状態で陽向が目の前の女から逃げられるかは別問題だ。両手が塞がったままでは術式を組むことはできない。炎への対応を子龍に任せることになる。妖気で初動を読み取れない子龍にすべての防御ができるか――。
「ねぇ」
思考を巡らせていた陽向を憎しみに燃える呼びかけが襲う。
「何とか言ったらどうなの?それかその女起こしなさいよ。直接聞きたいことがいっぱいあるわ。――何してるの、さっさと起きなさい。妖がこの程度でいつまでもおねんねしてるわけないでしょ。狸寝入りもいい加減にしなさいよ、女狐のくせに!ねぇ、起きろ、沙夜っ!!」
「……え?」
脳が彼女の発言を拒んで、無理やり飲み込んだ陽向はようやく事態を理解する。沙夜や祐樹という名にこそ覚えはないが、陽向が聞いた話の中の人物相関図に当てはまる者たちは自ずから導き出される。つまり。
「ち、違う!!」
考える前に否定を叫んでいた。
「こいつは沙夜さんじゃない!沙夜さんも祐樹さんも――詳しくは知らないけど、もう亡くなってる!!」
叩きつけた現実に、向き合った赤い瞳を填めた表情が大きく歪んだ。その表情の名を陽向は知らない。あるいは多くの感情が彼女の中で渦巻いているのか。
幾度か目まぐるしく表情を変え、弥樹の顔面からすべての感情が滑り落ちた。
「嘘よ」
削ぎ落された感情のない瞳に射竦められて、陽向は言うべき反論を忘却した。その寸時の沈黙が致命的な誤解を増長させる。
「黙ったってことはそうなのね?そうよね。女狐がそう簡単にくたばるわけないもの」
「違――」
「今更取り繕っても無駄よ。騙されるもんですか。祐樹さんじゃない男が女狐を庇ってるってのが意味わかんないけど。で?あんた結局何。引っかけられたんなら手を引くことをお勧めするわよ。あっちこっちで男引っかけてるのかしら、いやらしい」
余りの妄言に陽向は絶句する。あるいは、駆けつけたのが陽向でなければ違ったのだろうか。いや、例えこの場に現れたのが春日野や密草であれ弥樹は同じ結論に至っただろう。
彼女には、セリナが沙夜に見えているのだから。
「……っ」
これ以上何を言っても無駄だ。抗弁すればするほど弥樹は誤解を深めていくだろう。陽向は歯噛みする。どれだけ正論で現実であろうとも、弥樹にとっては言い訳にしか聞こえない。
交渉は不可能。ならばあとは、どうにかして逃げるしかない。逃げるしかないのだが。
どう見ても正気ではないくせに、こちらを逃がしてくれる隙だけは一切存在していない。陽向が立ち上がって走り出した瞬間に高温の炎に焼かれるだろう。何ならその素振りを見せただけで撃ってきそうだ。
活路を探す陽向の腕の中で、小柄な肩が僅かに跳ねた。
その手ごたえに釣られて目を落とす。真っ赤な瞳が大きく見開かれて揺れている。その鏡面に陽向は映っていない。
獲物を追い求めて忙しなく動く瞳が一点で止まる。灼熱の瞳孔に敵として対峙している女とは別種の憎悪を読み取って、陽向が生唾を呑むのと同時に。
少女の身体が、消えた。
「痛っ!?」
視界から突然消失した少女を探す前に、後ろに倒れた上体を支えた手が石畳に擦れた。セリナが行動する反動でひっくり返ったのだと、遅れて理解が追いついた。
慌ててセリナの姿を探す陽向の目が、弥樹に掴みかかる緋色の髪が飛び込んでくる。直後、二人がまとめて燃え上がった。
「っセリナ!?」
燃えているのはセリナの妖力だ。耳を覆いたくなる悲鳴は弥樹のもので、二人はもつれ合ったまま陽向から離れていく。
「ああっ!」
弥樹の妖気が膨れ上がって、反応したセリナが飛び退いた。弥樹のつけた火の塊は彼女の胸の前でセリナの火と混ざって彼女自身を焼く。
揺らいだ上半身に、セリナが再び組み付いた。
「うあああああ!!!!」
獣のような咆哮だった。陽向の目前で繰り広げられている攻防は、獣同士の取っ組み合いだった。普段の彼女の美しささえ思わせるしなやかな戦闘は影を潜め、なりふり構わぬ徒手空拳でのつかみ合い。時折セリナの手が触れた弥樹の肉体が炎上し、煙とともに悪臭が漂う。
対する弥樹も負った火傷を即座に回復させている。早回しのごとく、焼けただれた皮膚が見る間に白い肌に戻っていく様は彼女が人という枠を逸脱した存在であるといやでも突きつけられる。
出生からいえば、彼女は人間のはずだ。それが溢れ出さんばかりの妖気を纏っている時点で後戻りできないところに居ることは容易に想像できていた。
恋焦がれ、その恩讐に焼かれた人間が魔性と化した妖。
とても割って入れる戦闘ではない。援護するにしても、陽向が術式を放つ隙すら見当たらない。そもそも二人の動きが目で追えない。
時折、組み合って静止した際に何とか戦況を把握するのがやっとだ。
固唾を呑んで見守るしかできない陽向を、背後から迫ったもう一つの微弱な妖気がここに来た本来の目的を思い出させる。
「そうだった、管狐!」
見れば、稲荷社の陰から黒い髪が揺らいだ。もう目視できる場所に居ることに戦慄しながら、陽向はセリナに危機を伝えなければと再び戦場に目を移す。
「――いや、無理!!」
そもそも今のセリナに言葉が通じる自信がない。さっき腕の中で見た彼女の瞳は完全に自我を喪失していた。戦い方一つを見ても、彼女が正気である確率の方が大幅に低い。
叫べば届く距離だが、思わぬ横槍になりかねない。二人は一瞬を争う戦いを続けている。ほんの少しでも気を逸らせただけで命取りになる速度だ。タイミングを計るにしても、陽向に正確な戦況を把握することはできない。
だから。
「あっちを止めるしかねえ。子龍!」
「ぴ!」
勇ましく応える子龍が頼もしい。陽向はフラフラと近づいてくる黒髪から目を離さず護符を握りしめる。結界術式は一から組み立てるよりも護符を使った方が速い。
「霊力の残量に関しては気にすんな。何してでもいい、セリナの方に何もさせるな」
靴の裏が石段を踏んで、足裏にほんの小さな砂礫を感じる。普段なら気にも留めないだろうそれがやけに気に障った。
嫌というほど感じた管狐の妖気を纏って、黒髪を揺らした女が石段を降ってくる。背後ではセリナと弥樹が放つ爆炎がじりじりと背を焦がす。
昼間の神社を背景にしているから相当に場違い感がすごいが、これで夜だったら諸手を挙げて逃げ出していたであろう風体だ。バラバラに散らばった長い黒髪と白い襦袢が大多数の想像する幽霊の容貌であり、陽向の視慣れた多くの幽鬼に相違ない。
だが、彼女が実体を持っていることはその足音が証明している。砂に塗れた石段を踏む裸足の足音。混ざる水音が不快感を煽る。彼女には重さがある。
狐の死体と同じ、腐敗臭が鼻を突いた。
陽向を見降ろして立つ、黒髪の隙間に覗いた眼球は虚ろで正面を向いたまま微動だにしない。
弥樹と同じしぐさで、青白い人差し指が向けられる。
「、急々如律令!」
事前に準備ができるなら正面から対応できる。結界で受け止めた炎は幸いにも弥樹のそれより虚弱だった。
「これなら!」
子龍が水を浴びせて消火するのに合わせて飛び出す。火を避けるために石段の外、剥き出しの土を蹴って陽向は一気に女との距離を詰めた。
「唵!」
密草にもらった拘束術式の護符、残り少なくなったその一つを消費して、光る紐が女に飛んだ。灰になって崩れていく護符を手放して腰の刀を抜く。
人体を傷つけることに抵抗がないわけがない。嫌悪感と罪悪感を相手は死体だと言い訳で捻じ伏せて、陽向の切っ先が女の少し膨れた腹に届く。
最期の自爆攻撃は来なかった。それでも確かな妖気の萎み方に管狐の死を確信する。即死だったようだ。
女が仰向けに倒れた。せめて手でも差し伸べてあげればよかったと、石段に激突して広がった黒い液体を目に焼き付けて後悔する。漂う腐臭がそれすら陽向に躊躇わせた。
それでも、と見開かれた瞼を閉じようとしたが貼り付いて動かなかった。
肉体の持ち主の魂はすでにここには亡い。動かしていたのも別の生物だ。開いたまま静止した眼球に映る青空が目に入って、陽向は頭を振った。どれだけ言い訳しても無駄だ。罪悪感は消えはしない。
狐ではなかっただけ、どれだけのことをしてくるかと危惧したが杞憂だったようだ。拘束術式にさえ抵抗らしい抵抗も見せず、あっさり倒せてしまった。
遺体をそのままにしておくのも居た堪れなくて、せめてもとハンカチで顔を覆う。元々薄い色だった布はすぐに赤茶色に染まっていった。後のことは春日野や密草に任せるしかない。
「それで……」
石段の下に目を落とす。セリナと弥樹の姿は見当たらない。陽向が女と対峙していた間に移動してしまったらしい。妖気だけは追いかけられるから居場所はわかるし健在なのも把握できるが。
立ち止まって思案する。最大の懸念事項だった黒髪の女の動きを止めた以上、残る脅威は弥樹だ。稲月の屋敷の方の管狐の集団も終息を見せている。
「春日野さんたちと合流する方が先か?」
子龍を抱き上げて、陽向はセリナと弥樹の妖気を探る。妖気だけでは詳しい状況はわからない。明らかに正気を失っていたセリナの様子も気になる。あれではまるで、妖気に振り回されているような――。
「!」
突然、弥樹の妖気が不自然な動きを見せた。陽向は顔を上げる。そちらを見ても目に映るのは鬱蒼と茂る立木だけなのだが、若干集中しやすい気がした。
「……逃げてる?」
もつれ合っていた二つの妖気が離れて、その一方が直線に移動している。方向からして山の下に向かって――否。
「こっち来てる!?」
真っ直ぐ降下してくる妖気。その直線上に自分が居ることに気付いて、そしてそれが高速で移動しているが故に間近に迫っていて、陽向は慌てて石段を駆け登った。
「わっ!?」
背後で巻き起こった旋風に煽られて、つんのめりながら転ぶのだけは阻止して、妖気との位置を確認してから振り返る。
石段下方、稲月弥樹と思しき女が倒れていた。それを追って現れた炎に怖気が走った。本能が逃げろと叫ぶ。陽向が今まで何度も感じてきて、このほか接触を避けてきた、危険すぎる妖気。
敵意を剥き出しにして佇む赤みがかった薄茶の髪。
「うっ……」
感情の読み取れない怜悧な瞳が見下ろす先で弥樹が呻いた。あちこちに火傷痕の浮かび上がった腕で必死に身体を起こそうとしている。
奇しくも先程と立場が完全に入れ替わっている。陽向が恐怖を抱いている対象すらも入れ替えて。
悶える弥樹は逃走を試みて幾度となく肘を折っていた。傷を回復する妖気が限界を迎えている。治りが格段に遅くなっている。最早まともに動けないのは明白だ。最後の力を振り絞ってここまで逃避したのだろう。だがその力さえ尽きた。
急ぐ必要はないと言わんばかりに、セリナがゆっくりと歩を進める。こちらも相応のダメージを負っているらしく、真っ直ぐ歩けていない。よく見れば片足を引き摺っていた。
必死に地を這う弥樹に向けて伸ばされた血塗れの細い腕を見た瞬間、考えるより先に身体が動いていた。
「セリナ、ダメだ!!」
みっともないことに、泣きそうな顔をしていると思う。正面に立ったセリナの瞳は虚ろで、陽向の背後に居る弥樹しか見ていない。
「もういい!あいつはもう動けない!」
両肩を掴んでから、傷があったらどうしようかと遅れて後悔が襲う。だが、躊躇いに手を離すより先にセリナが陽向の手を振り払うべく身を捩った。
たったそれだけで簡単に重心を崩されて、陽向は慌てて石段に手を付く。転落しなかったのは偶然だ。眼下に広がった階段は急勾配ではないが、一度転がったら止まれないだろう。
恐怖に慄く両足を叱咤して、それでも陽向はセリナの健在な右腕に縋りついた。
「もうすぐ春日野さんたちも来る!任せればいい!これ以上はダメだ!!」
どれだけ叫んでもセリナは揺らがない。
弥樹の妖気は衰弱している。恐らくもう致命傷を治癒するだけの回復力は残っていない。現に今の傷だって治せていないのだ。これ以上負傷を重ねては――。
「頼む、セリナぁっ!!」
正面にもう一度立って抱き寄せる。半端に掴みかかったところで振り払われるなら全体重をかけてでも押し留めなくては。
「もういい、いいんだ」
弥樹はセリナの両親の命を奪った。赦せる行いであるはずがない。あるいは陽向がこうして彼女を止めることさえ出過ぎた真似なのかもしれない。それでも。
「――頼むよ、セリナ」
今のセリナに手を下させたくなかった。妖気に呑まれて欲しくはなかった。
だらりと下がった残された右手が左肩に触れた。何が起きたのか、すぐには理解できなかった。脳が勝手に感覚を遮断したのかもしれない。
「っああ!!!?」
熱を感じたのは直接触れた背中ではなく炙られた頬と耳だった。叫ぼうとした陽向の先手を取って、耳を突いたのは胸の中の少女の絶叫で。
「い、嫌っ……嫌ああああああ!!!!」
ふっ、と背後で渦巻く妖気が消失した。一歩遅れて冷水が頭から浴びせられる。見上げた先に必死の形相で宙を舞う子龍が見えた。
「ぐっ……」
遅れて襲う激痛を歯を食いしばって耐える。止めなければ。セリナを。
かつてない痛みに明滅する視野の中、陽向の脳裏に春日野が以前組んでいた術式がやけにはっきり思い浮かんだ。今なら細部まで正確に再現できる。
「っダメ、逃げて!」
再びセリナの腕が背中に触れる。陽向を振りほどこうとするセリナを無理やり腕の中に押し込んで、陽向はその呪言を唱えた。
「ごめんっ……――
術式が発動した直後、肘から下が失われた左手が目に入った。弥樹とは違い、未だ回復していない。拙いと思ったときには、回復に使われているであろう奔流ごとセリナの中で妖気が一気に押し出された。手ごたえが全くない。まるで彼女の妖気が自ら流れに乗っているみたいな――。
腕の中で力を失った小柄な身体を支えようとして左手が反応しないことに気付いた。何とか右手だけで支えてそのまま二人で座り込む。
子龍が頭の上に乗った。控え目な水が背中を伝う。流れる冷たい感触がそこだけ痛みを忘れさせてくれた。
「……ありがとな」
右手はセリナで塞がっているし、左手は上手く動いてくれないので撫でてやれなくて申し訳ない。口頭で礼を言ったら怒るように一声きつく鳴かれた。
「早く、春日野さんたちと合流しねえと……」
立ち上がろうとしたが足に力が入らない。セリナの妖気はどうにか落ち着いたようだ。傷口に流れていく妖気を確認して一息吐く。結果的に回復を阻害してしまった。すぐにでも密草に診せなくては。
「……うっ」
少し動くだけで左肩を中心にした背中に鋭い痛みが走る。込み上げる吐き気を堪えて、もぞもぞと背後の弥樹を確認した。
石段に臥した彼女は動かないが、肩が上下しているから生きてはいるだろう。このまま気を失っていてくれることを祈りつつ、陽向は子龍に声をかける。
「春日野さんと密草さんを呼んできてくれるか?どっちでもいい」
「ぴぃ」
離れるのが不安なのだろう。鳴き声だけで渋られているのがわかるが、今動けるのは子龍だけだ。
「……頼むよ」
苦笑しつつ懇願したら一声鳴いて身を翻した。彼にとっての全速力で飛んでいく。
「……はぁ」
気を抜くと吐きそうだ。最悪の気分である。
「熱出て来てんな」
周囲の妖気が急速に霞んでいく。このまま弥樹が気絶している間に春日野たちが来てくれることを願うばかりだ。
頬を撫でた一陣の風に、張り詰めていた緊張の糸がぷつりと切れた。遠くで呼びかける春日野と密草の声が耳に届いて、陽向は石段の上に顔を向ける。
霞んだ視界に、黒い服の人影が二つ揺れた。
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