俺の知り合いの女が俺に、“籍を入れて、あなたの子供を私は産みたいの!”

神石水亞宮類

第1話 俺の知り合いの女が俺に、“籍を入れて、あなたの子供を私は産みたいの!”




俺の知り合いの女で、顔見知り程度の女が俺にこう言った!



“籍を入れて、あなたの子供を私は産みたいの!”




俺は突然、この女にこう言われて身の危険を感じた。

以前から、俺の事がこの女が好きだと言っていると俺とこの女の共通の

友達から聞いてはいたが、まさか? こんな形でこの女の気持ちを知る

とは思ってもみなかった!



俺は勿論! この女の事は“好きじゃない!”

そもそも俺のタイプでもないし、この女と何度か会ってはいるが

まともに会話をした事も一度もないのだ!

好きとかそういう問題じゃない!

それなのに、この女は俺に会うなりこう言った!

俺は結婚願望もないし、好きな女性も居ない。

彼女が欲しいとも思わない俺と結婚できる訳がない!

しかも? 俺の子供が欲しいって、怖くないか?

好きでもない女が俺の子供を身ごもる恐怖を考えただけで身の毛がよだつわ!

絶対にどんな事があっても、俺はこの女と一線を越える気はない!

どんなにお酒に酔っていても、風邪で意識朦朧でも、俺はこの女とはない!







・・・この女が、俺にあんな事を言って3ヶ月後。

俺の考えをこの女は完全に無視しているのか?

俺の気持ちを無視して、俺の家に勝手に上がり込んできた!



【ピーポーン】


『はーい!』

『○○引越センターです!』

『はぁ!?』

『荷物を運び込みますよ。』

『ちょ、ちょっと待ってください! なんの荷物ですか?』

『森本さんのお荷物です、本人から聞いてませんか?』

『聞いてませんよ! 持って帰ってください!』

『いやいや? 困りますよ、この荷物をココに運んだら直ぐに

次行かないといけなんで! 取りあえず、荷物運び込みます。』

『ちょっと待てよ、そんな話は俺は聞いてないんだ!』

『あぁ、ごめんなさい! 話すの遅くなっちゃった! 荷物早めに

持ち運んじゃってください! 忙しいのにスミマセン。』

『ありがとうございます!』

『・・・オ、オマエ、なんなんだよ!』

『後でちゃんと説明するから、取り合えず荷物運ばせて!』

『・・・コ、コイツ? なんなんだ!?』







『オマエな、なんなんだよ一体!? なんで俺の部屋に!?』

『前にも言ったでしょ! 籍を入れて、あなたの子供が欲しいの!』

『それが怖えーんだよ! 頭おかしいのか?』

『・・・そんな風に想ってたの?』

『“普通そうだろうが!”』

『普通って何よ! 普通じゃなくてもいいじゃない!』

『取り合えず、荷物持って帰れ!』

『無理よ! 昨日まで住んでた部屋はもう出たんだから!』

『はぁ!?』

『私はあなたと一緒に住みたいの!』

『“オマエ、やべー女だな!”』

『“私の事を好きにならなくていい! 結婚して!”』

『だから、それが怖えーんだって!』

『何が怖いのよ!』

『常識ある大人の考え方じゃないだろう?』

『“常識?”』

『本当にやべー女なんだな!』

『私は、あなたの子供が欲しい!』

『出て行け!』

『・・・・・・』




俺はこの女を追い出した!

一度、部屋に泊めたら? ずっと居座りそうで怖かったからだ!

荷物はこの女の実家に送り付ける事にした!

この女も実家に帰ると言い出したし、俺もそうしておしかった。

この日は、この女はカプセルホテルに泊まったらしい。

次の日、実家に帰って荷物も丁度届いたと俺に連絡してきた。

お金は何故なのか? 俺が全額お金を出す事になり意味が分からんが

取りあえずそうなった。

まあ、一銭も持っていないと言われたらどうしようもなかったんだ。




・・・でもここから3日後、この女が俺にお金を返しに来た。



『・・・前はごめんね。』

『もうココに来るなよ!』

『私はまだ諦めた訳じゃないからね。』

『俺はオマエと籍も入れないし、子供も作らない!』

『私と一緒に住んで!』

『却下! 金はもらった、実家に帰れ!』

『あら? 冷たいのね。』

『好きでもなんでもない女に優しくする理由はない!』

『・・・へーえ、そういうモノなの?』

『あぁ、男はそういう生き物なんだ!』

『そう、』

『オマエには、お前に合った男が現れるよ、俺じゃない!』

『・・・もう帰る。』

『あぁ!』




・・・俺はヤバくて怖えー女なんか絶対に好きにならない!

後で何をされるか分からないし、この女が俺のストーカーになる

可能性だってあるはずだ!

俺の事を一方的に好きで、籍を入れたいという女と子供を作るなんて

俺は考えられない!

俺はこの女を選ぶ選択しはない!



“さようなら、二度と俺の目の前に顔を出すなよ!”

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

俺の知り合いの女が俺に、“籍を入れて、あなたの子供を私は産みたいの!” 神石水亞宮類 @kamiisimizu-aguru

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ