第4話 勇気を出して告白するのよ!②
告白しようと決めた日の朝、あたしはママと
「かわいいかわいい!」
「
二人に「頑張って!」と応援されて、家を出る。うう、緊張するなあ。
今日は
ベンチに並んで座って、お弁当を食べる。
弘樹くんのお弁当いつもおいしそうだなあ。お母さんがお料理上手なのかな? いいなあ? あ、違う違う。あたし、好きって言わなくちゃ!
「彩香?」
「あ、うん!」言わなくちゃ!
「大丈夫?」
「うん、あのね」頑張れ、あたし!
「うん」
「あたし、弘樹くんのこと、好きなの!」い、言えた!
「え?」
「弘樹くんのこと、好きです!」
弘樹くんを見たら、顔が真っ赤になっていた。いや、たぶん、あたしも赤い。緊張するよお。
「……どうして僕なの?」
って、え? 何その質問。何て答えたらいいの? えーとえーと。
「あのあのね、あたし、弘樹くんの顔が好きなの!」
あたし、何言っちゃってんだろ? そうじゃなくて。
「か、かお?」と弘樹くんは怪訝な顔をして聞く。ああ、これ間違い、いや間違いじゃないけど、好きなのはそこじゃなくて。
「あたしの好きな顔なの、弘樹くん。特に横顔が好き!」
って、授業中ずーっと弘樹くんの横顔を見ていることを思い出して口にしてしまう。ああん、横顔は好きなんだけど、そうじゃなくて。
「それからね、弘樹くん、優しいから!」と言う。よ、よかった言えて。弘樹くん、優しいんだもん。
あたし、そのあと、何を言ったのか、よく覚えていない。ともかく最後は、真っ赤になっている弘樹くんの手をぎゅっと握って、顔をじっと見て「ね、つきあって?」と言った。そしたら、弘樹くんは「うん、いいよ」と言ってくれた。そこだけは確実。
心臓、爆発する!
ああ、でもよかった! 告白して。
ママありがとう! 織子もありがとう!
あたし、初カレが出来た‼
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます