第24話 結局我が働かないといかんのか!? 主なのに!?

「なんで我が働きにいかんといかんのじゃい!!」

ルナが雄たけびを上げた。

「日本で暮らしていくためには、お金が必要だからです」とマリラが淡々と話す。

「そういうことじゃなく! 我が一番偉いんじゃからマリラが行くのが筋じゃろ!?」

ビシっとマリラを指さすルナ。しかしマリラは真顔で胸を押さえながら言い訳をする。

「ルナ様が安い棒給で人間如きに、コキ使われているという愉快な状況は、今を逃すともう見られないため、私が働きにでることはありません」

(持病のしゃくが悪化し、労働に耐えられる状態ではありません。申し訳ございません、ルナ様)


「いや、本音と建て前が逆!!!!!!!!」

めちゃくちゃでっかい声でツッコむルナ。


「あ、しまった」

「しまったじゃないじゃろ!? 不敬すぎてびっくりじゃい!! 普通にこのまま謀反されるんじゃないかと思って、心臓バクバクじゃわ!」

「大丈夫です。私はルナ様の様々なお姿を見たいだけで、忠義の心はあります」

「ホントか~?」

「ルナ様も魔界時代に、プ●キュアがフォルムチェンジしたり、私服が毎日ちゃんと変わっていることを毎週喜んでいたでしょう」

「まあ、そりゃあ色々な衣装見れた方が嬉しいからのう」

「それと同じです」

「絶対一緒じゃないじゃん!? 我の苦しむ姿みたいって全然、話がちゃうじゃろ!?」

バンバンと机を叩くルナ。


「うるさいよ……ルナちゃん」

昼寝していた堵々子がしかめっ面で伸びをした。


「そもそも堵々子が年金をパチンコに使い込むからいかんのじゃろ!!」

今度は堵々子をビシっと指さすルナ。


「うわ、こっちに矛先むいちゃったねぇ」

「ルナ様、人に当たるのはよくないですよ」

「人じゃないじゃろ! アンデッドじゃん!!」

「ただの慣用句です。それより早くバイトに行かないとまた軽作業しかなくなりますよ」


日雇いのバイトは早いもの勝ち。

給料がいい、作業が楽、交通費が出る、などの優良物件は速攻でなくなり、安い・辛い・汚い労働ばかりが余ってしまうのだ!


「いやじゃ、いやじゃ! 軽作業と言いながら全然軽くないし! なんじゃよあれ、重作業じゃろ!」

魔力を持ってた頃ならいざ知らず、今のルナは非力な人間女子と同等なので、軽作業は嫌なのだ。

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