第25話 結局我が働かないといかんの!? 主なのに!?②

「とにかく、我は働きとうない!! マリラが来たから、もう魔力が戻るまで楽できると思ったのに! こんなん詐欺じゃ!」

バタバタと畳のほこりを巻き上げるルナ。


堵々子は、その様子を見て笑う

「あっはっは、ストレートにダメ吸血鬼だねぇ。ルナちゃん」

「パチンコで全財産スッたやつに言われたくないわい!!」

「あれはアタシの金だも~ん」


ケンケンガクガクする二人の様子を見てマリラは

「仕方ありませんね」と立ち上がる。

「今回は私が働きに出ましょう」

「んお!? マリラ、ちょっと前と言ってることが違くないか!?」

「あれはルナ様の反応を引き出すための冗談です。主を働かせるわけにはいきません」

「お、おおっ……! それでこそ我の右腕!! まさに忠臣じゃ!」

ルナは喜びでバンバンとマリラの背中を叩く。


「待ちな」


堵々子が真剣な表情で言う。

「アタシが働くよ」


「ええ!? な……どうしたんじゃ堵々子!? 前は我を放って遊びに行ったのに!?」

驚愕の声をあげるルナ。


そこですかさずマリラが反対する。

「いいえ、堵々子様。ここは私が」

「いやいやアタシに任せときなって」

「いえいえ」

「いやいや」

マリラも堵々子もお互いに働きに行くことを、一歩も譲らない。


それをソワソワ見ていたルナも、持ちきれずパッと手を上げる。

「じゃ、じゃあ我が!」

「「どうぞどうぞ」」


「いや、なんでじゃい!!!!」

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